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[NB CHAMPIONSHIP U-16]大会初日に飯塚旋風!星稜に続き、静岡学園も撃破!

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後半22分、飯塚高の中山隼が決勝ゴール

[9.14 NB CHAMPIONSHIP予選リーグ第2節 飯塚高 3-2 静岡学園高 時之栖うさぎ島G]

 大会初日に飯塚旋風! 高校1年生世代の強豪32校が優勝を争う「newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2019」が14日、開幕。予選リーグCブロックの第2節で飯塚高(福岡)と静岡学園高(静岡)が対戦し、飯塚が3-2で逆転勝ちした。

 第1節で本庄一高(埼玉)を7-0で圧倒した静岡学園と、名門・星稜高(石川)に4-0で快勝した飯塚。ともにテクニカルで個の強さを持つ両校の一戦は、福岡県で台頭中の新鋭・飯塚が制した

 最初のビッグチャンスを作ったのは飯塚。6分、来季からの松本山雅FC入りを決めている兄・凱光(3年)“以上”との声もあるFW村越琉威が、相手の背後へ抜け出してGKと1対1となったが、これは静岡学園GK古舘幸真が阻止する。

 静岡学園は危ないシーンこそあったものの、序盤は個々の技術の高さで相手を押し込む試合に。そして、17分にはFW中屋怜歩の絶妙な落としから、FW持山匡佑が右足アウトサイドでスルーパスを通す。これで抜け出したFW鈴木大和がGKをかわして先制点を流し込んだ。

 その後も静岡学園は小柄な技巧派MF玄理吾やMF小泉龍之介を軸にボールを握り、CB三宅優翔の展開力も交えて攻撃したが、飯塚も負けていない。球際で全く怯むことなくチャレンジし続け、相手のスルーパスを阻止して1点差を継続。逆にMF長崎偉大の突破からMF吉田龍介が決定的なシュートを放つなど対抗した。

 そして後半、果敢に前からのプレスに出た飯塚が同点に追いつく。10分、飯塚は長崎を起点とした攻撃から吉田が持ち込んでシュート。GKが弾いて高く舞い上がったボールをMF池田光希が頭でゴールに叩き込んだ。だが、静岡学園は14分、中盤中央からドリブルで持ち上がった小泉が、持山とのワンツーで抜け出し、鮮やかなループシュートで2-1。飯塚にとっては追いついた直後の失点だったが、気落ちしなかった。

 17分、飯塚は吉田の斜めのスルーパスからFW高尾流星が右隅に決めて2-2。飯塚は「怖れずに仕掛けることと、味方のミスをフォローする前提でスプリントすること」(島田一真コーチ)を表現し続ける。選手たちが「ムズいです」と言うほど静岡学園の個人技はハイレベル。それでも、各選手が献身的にスプリントすることで、仕掛けてくる相手選手を挟み込んでMF森園颯月らがボールを奪い取り、磨いてきた仕掛けで相手の守りに穴を開けた。

 ベンチから「下がった方が負け」という声が飛ぶ中で迎えた終盤、飯塚が勝ち越す。22分、飯塚は「自分も良い流れに持っていきたいし、点決めたかったので自分で行けるところは行ってシュートを打ち切りました」という村越が、DFのマークを外してパワーショットを打ち込む。

「兄貴はプロ内定しているので追い抜かせるように日々努力しています。フィジカルと個人は(兄に)負けるんですけれども、スピードとスプリントは自信あります」という村越のインパクト十分の一撃はクロスバーを直撃。だが、このこぼれを中山隼が押し込んで決勝点をもぎ取った。

 試合終盤はベンチの選手たちが立ちっぱなしで「走れ!」と仲間を鼓舞。この声に後押しされて最後まで走りきった飯塚が、星稜に続いて静岡学園にも勝利した。テクニカルなチームとの呼び声高い飯塚だが、気持ちのこもった守備など見事な戦い。そして前に出続けて3点と白星を奪い取った。

 村越は「飯塚も最近知られてきて、この全国は良い機会。このままどんどん青森山田とかとやって、しっかりと勝ちきって、もっと全国に名前を知らせたいですね。このまま明日も勝って優勝を狙っていきたい」と宣言。昨年度の選手権予選で東福岡高とPK戦にもつれ込む熱戦を演じたり、村越兄のプロ入りなど注目度を高めてきている新鋭・飯塚が、今回の「newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2019」でその名をさらに広める。

(取材・文 吉田太郎)【特設ページ】newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2019

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