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[MOM636]流通経済大FW山口大輝(4年)_得意の“開幕弾”、最下位脱出

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.14 関東大学L第12節 法政大1-1流通経済大 たつのこフィールド]

 “開幕戦”への強さをみせた。前期は最下位と苦しんだ流通経済大だったが、今季の開幕戦は専修大と3-3でドロー。その3得点はすべて、FW山口大輝(4年=西武台高)が決めたものだった。

 そして後期開幕となったこの日も1点ビハインドで折り返した後半14分、「狙っていた」という相手DFのバックパスを奪うと、ゴールに向かってドリブルを開始。「自分は足が遅いので追いつかれちゃ嫌だなと思ったけど、右から巻いたら入るかなというイメージ」だったと言う通り、やや前に出ていたGKを巻くようにして放ったシュートがゴールネットに突き刺さった。

 今季も部員数210名を誇る流経大にあって、山口も昨季まではセカンドチームの流経大ドラゴンズ龍ヶ崎の一員としてJFLを主戦場としていた。背番号は10番だったが、ポジションはボランチ。得点よりもパスでゲームを動かすことに主眼を置いていたと話す。

 しかし今季、最終学年になってトップチームに抜擢されると、与えられたポジションはFW。本人も「気がついたらFWになっていた」と苦笑いで経緯について明かすが、そのことで得点能力が開花。「最近はゴールしたいなと毎試合思うようになった」と自身もプレースタイルの変化に驚いているという。

 この日は主将DF本村武揚(4年=流通経済大柏高/湘南内定)とGKオビ・パウエル・オビンナ(4年=JFAアカデミー/横浜FM内定)が内定するJクラブに帯同したために不在。その分、「あいつらに頼っているようではいけない」と4年生を中心に団結して戦わないといけなかった。キャプテンマークを巻いてプレーした山口は「チームとして戦えていたと思います」と胸を張る。

 チームは勝ち点1を積み上げたことで最下位を脱出した。ただ残留圏の10位早稲田大との勝ち点差はまだ5ある。「最初の段階で勝ち点差を埋めれたら、自分たちの気も楽になると思う」とスタートダッシュの重要性も十分に感じている。必要なのは何よりも勝ち点3。「歴史のあるチームで10番を背負わせてもらっている。(2部に)落とすなんて本当にあり得ない。より一層気を引き締めて、来週の試合に絶対に勝てるようにやっていきたい」。反撃の秋は始まったばかりだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

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