[9.14 J2第32節 千葉2-1水戸 フクアリ]

　ようやくつかんだ勝ち点3だ。勝ち星から見放されていたジェフユナイテッド千葉は水戸戦で今季初の逆転勝利を演じ、7試合ぶりの白星を獲得した。

　キャプテンマークを巻くMF佐藤勇人はチームの勝利ため、ピッチ上を縦横無尽に走り回った。前半31分に水戸に先制を許しながらも、「チームが折れることはなかった」と振り返る。「今日は一人ひとりが口に出したりしなかったけど、個々に台風の被害は思うことがあるだろうし、いつもと違うパワーをもらえたと思う」。6試合未勝利だっただけでなく、台風15号の影響によって被害を受けた千葉県民に勇気を与えるために是が非でも勝利を手にしたかった。

「台風の影響で千葉県はいろんな被害を受けていたので、この試合は自分たちで何とか結果を残さないといけないという気持ちが強かった」

　すると、前半39分と後半15分にFWクレーベがゴールを奪ったチームは逆転に成功。その後は水戸の反撃を体を張った粘り強い守備でしのぎ、2-1の勝利を収めた。

　自身は第30節町田戦から先発起用されているが、「悪い流れを断ち切ることができず、勝つことができなかった」と責任を感じ、「自分に対してプレッシャーをかけて毎日を過ごしていた」という。しかし勝ち点3を手にし、「自分が出たからにはチームを勝たせなければいけないというプレッシャーを自分自身に与えていた」という重圧から解放されるだけでなく、被災地に白星を届けたことで安堵の表情を浮かべる。

「今、千葉県民は苦しんでいると思う。少しでも明るいニュースを届けるためにも、今日みたいな試合を皆でやって一つひとつ勝ち、少しでも順位を上げるとともに、被害に遭われている方たちに少しでも勇気を与えられるようにやっていきたい」

　キャプテンは力強く語り、しっかりと前を向いた。

(取材・文　折戸岳彦)

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