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[NB CHAMPIONSHIP U-16]“育成の興國”の目標は「優勝」!Dブロック首位争いで富山一に4発快勝!

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前半11分、興國高CB田上涼太(2番)が先制ヘッド

[9.14 NB CHAMPIONSHIP予選リーグ第2節 富山一高 0-4 興國高 時之栖うさぎ島G]

 タイトル奪取へ、興國が連勝発進――。高校1年生世代の強豪32校が優勝を争う「newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2019」が14日、開幕。予選リーグDブロックの第2節でともに1勝の富山一高(富山)と興國高(大阪)が対戦し、興國が4-0で快勝した。

 興國は前半の4ゴールによって強豪を撃破。中山昇コーチは「1試合目は、内容は良かったけれど、結果は良くなかった。でも、それでスイッチが入ったと思います」と説明する。帝京安積高との初戦は“不満の”2-1。近年、連続して複数の選手をJリーグに送り出している注目校は、そこから気持ちを高めて臨んだ試合で個の強さと多彩な攻撃を発揮して快勝した。

 今夏のインターハイ準優勝校・富山一は4-4-2システムで連動した守備。個々の技術、コンタクトも強い相手の攻撃を受ける展開となったが、素早いカバーリングでスペースへのパスに対応し、サイドの攻防でボールを奪い取っていた。

 そして、落ち着いてボールを受けるMF高田晟吾やMF橋本絃らがボールを動かし、前線の長身FW大川翔夢や機動力のあるFW吉田圭佑へ展開。だが、興國のDF陣は相手FWに前を向かせずに奪い取り、ボールを支配して富山一にプレッシャーをかけた。

「自分たちはどこで数的優位を作るか考えていて、Uの字で回してスライドをずれさせて間につけることができて、前進することができて、その良い攻撃が得点につながった」というMF西田嵐之介らがサイドの高い位置から逆サイドへボールを動かす興國は、富山一の堅守を徐々に攻略。横への素早い展開から相手の守りがズレたところへ縦パスを入れて攻撃をスピードアップさせる。

 そして、前半11分に西田の左CKをCB田上涼太が頭で叩き込んで先制。すると24分には「自分はスピードがないので周りを活かすプレーをしながら、タイミングあったら良いところに刺すパスを意識している。いつも主役になり過ぎずに人を活かすことを考えているんでそれが良い結果につながったんで良かったです」という右SB西出拓人の絶妙なパスで抜け出したFW永長鷹虎が左足で決める。

 その2分後には縦に仕掛けた西出の右クロスをファーの永長が折り返し、最後はFW荒川永遠が決めて3点目。そして、前半終了間際にもMF岩丸流星のパスからMF福田凌が決めて4点差とした。

 興國の選手層は大会屈指。それでも、「もう1パンチ、2パンチあるような選手に上がって来ないと」(中山コーチ)と求められるチームは、今大会の戦いも選手同士の競争に充てられている。初戦同様、後半はガラッとメンバーを入れ替えての30分間。ただし、後半はミスからボールを失って富山一に繋がれる時間が増え、リズムの悪い展開となった。

 決定的なシュートが富山一GK京極翔矢の好守に阻まれたほか、相手の守りを切り崩せないまま試合終了を迎えた。それでも、興國の中山コーチは「この2試合は本質的な『戦う』『走る』はやってくれている」と評価。その戦いを全国トップクラスの強豪相手に続け、得点を連発して勝ち上がることを目指している。

 西出は「1年生の集大成の遠征なので、ここでタイトル取って興國の名を広めたいです。(どの相手でも)とりあえず球際で絶対に負けへんし、気持ちで勝ったらボールを支配できると思う。支配出来たら自分たちの思い通りのサッカーをやって勝てると思います」と強豪撃破へ意欲。選手たちの目標は「優勝」だけだ。関西U-16リーグでは悔しい2位に終わったが、“大阪のタレント軍団”“育成チーム”の興國が今大会では必ず頂点を掴み取る。

(取材・文 吉田太郎)【特設ページ】newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2019

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