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ACL連覇逃した鹿島、五輪世代コンビを次々起用も…「結果を出せなかったのが実力」

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鹿島アントラーズMF相馬勇紀、FW上田綺世(写真左から)

[9.18 ACL準々決勝第2戦 鹿島1-1広州恒大 カシマ]

 このままでは敗退が決まる後半20分すぎ、鹿島アントラーズ大岩剛監督が次々に送り出したのは今夏加入したばかりの東京五輪世代の選手たちだった。しかし、大きな期待を背負いながらもゴールを奪うことはできず、それぞれに悔しさを語った。

 まずは1-1で迎えた後半24分、左サイドハーフにMF相馬勇紀が投入された。開幕前に早稲田大から名古屋に入団し、夏に期限付き移籍で鹿島にやってきた22歳。初のACLだったが投入直後から得意のドリブル突破を見せ、猛攻の先陣を切った。

 そして後半27分、FW上田綺世もピッチに送り込まれた。法政大サッカー部を退部し、プロ入りの道を選んだ21歳。すでにリーグ戦では3得点を決めており、大岩監督からは「点を決めて来いというシンプルな指示」(上田)を受けてフィールドに立った。

 ベンチにはピッチ上の司令塔的や役割も期待できるDF内田篤人に加え、高い推進力を持つDF小池裕太やFW山口一真も入っていた。そんな中での抜擢。MF三竿健斗とMF白崎凌兵が直前の試合で負傷していた影響もあったとはいえ、指揮官の選択は2人にかかる期待がこもっていた。

 しかし、最後まで勝ち越しのゴールは生まれなかった。相馬は左サイドを何度も切り裂き、股抜きドリブルでスタジアムを沸かせるシーンもあったが、クロスやシュートが不発。上田はセルジーニョからの決定的なクロスに力強く頭を振ったが、うまくミートできずにシュート0に終わった。

 試合後、相馬は「点につながらなかったら次がない。鹿島はそういうチームだし、僕もずっとそう考えてプレーしてきたので、そこが足りなかった」と反省。「ドリブルの形は良かったけど、その後の精度が悪かった。緊張とかそういう問題ではなく、自分の技術の問題」と好プレーには見向きもせず、結果だけにこだわった。

 上田も「自分の信頼、自分のキャリア、チームの結果を求める上で点を取ることは絶対に重要。僕にとって意識するのはそこ」とゴールだけを求めたが、0-0で終えた第1戦も振り返りつつ「アウェーで点を取れなかったというのがまず一つ敗退のきっかけになっていると思うので、毎試合点を取るのが大事」と悔やんだ。

「結果を出せなかったのが今の自分の実力。誰のせいにもできないので、自分だけにベクトルを向けて能力を上げたい」(相馬)、「すぐに次の大会が始まるので、これを引きずらずに悔しさを持って次に行きたい」(上田)とそれぞれの言葉で先を見据えた2人。期待に見合うプレーはここからの国内タイトルで見せていく。

(取材・文 竹内達也)
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