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尚志の“ネクスト染野”。 スケール感大きなプレー見せる185cmの2年生FW阿部要門

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注目の2年生ストライカー、尚志高FW阿部要門

[9.23 プレミアリーグEAST第14節 市立船橋高 3-0 尚志高 グラスポ]
 
 尚志高のU-18日本代表FW染野唯月(3年)は、昨年度の選手権準決勝で青森山田高相手に“衝撃のハットトリック”を記録し、同大会得点王。今年の高校ナンバー1ストライカーの呼び声高い染野は早々に鹿島内定を決め、プレミアリーグEASTで得点ランキング2位の9得点をマークしている。

 現在、その染野の隣でプレーしている2年生も逸材候補だ。FW阿部要門(2年)は185cmの大型ストライカー。相手DFを弾き飛ばすような強さとしなやかさ、ボールを収める力と抜け出しの鋭さも備えた大器は、今年のインターハイで3得点を叩き出し、すでにJ2クラブへの練習参加も経験している。

 この日の市立船橋高戦では前半に良い形でフィニッシュに持ち込み、後半には右SB坂従颯蒔(3年)のクロスからゴールを狙った。前半半ばに染野が負傷交代する中、前線でポストプレーやスペースへのランニングなど奮闘した阿部だったが、無得点のまま後半39分に途中交代。悔しさを露わにしている姿が印象的だった。

「唯月くんが途中からいなくなって、その時に誰が点数を決めるかと言ったら自分しかいないと思っていた。その中で相手のゴールネットを揺らせなかったのは自分の中で本当に悔しいし、今回の試合で出た新たな課題だと思っている」

 本人は課題を口にしていたが、成長著しい存在であることも間違いない。仲村浩二監督は「技術が上がってボールが止まるようになった。染野のマネをしている。(今日はクリーンヒットしなかったが、)凄く良いシュートを打つんですよ」と成長を認める。

 阿部は「中学時代は身体を使いたいけれど使えないというのがあったけれど、仲村監督や小室(雅弘)さんに習って、インターハイを含めて段々自分のものにできてきていると実感しています」。技術面も当初は隣の染野に頼ってばかりだったというが、染野が怪我を抱えていたインターハイなどをきっかけにできることが増加。伸びしろはまだまだありそうだ。

 やはり、染野の存在は大きいという。「大きいですね。唯月君は全てにおいて身体も強いですし、ゴールに対する意欲だったり、シュートセンスも良いですし、決定力もあって、ヘディングも高さもあって自分も参考にしなくてはいけない選手。そういった選手が身近にいることが自分の成長に繋がっていると思います」。現在はDFを巧みにブロックしながらボールを収める染野のプレーを参考にまた成長を目指している。

 Jクラブへ練習参加した際にまず感じたのはその緊張感や声がけの部分。その経験から、より高い意識を持って日々の練習に取り組んでいる。染野という大きな壁に並び、乗り越えることは容易ではないが、「頑張りたいです」と誓うストライカー。先輩FWが卒業するまでに多くのものを盗んで、その背中に少しでも近づく。
 
(取材・文 吉田太郎)
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