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9・30開幕 ブラインドサッカーアジア選手権の日本代表壮行会を開催。川村主将「勝ちきって東京に挑む」

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 ブラインドサッカー日本代表が23日、千葉市内でアジア選手権(タイ)へむけた最後となる3日間の強化合宿を終えた後、壮行会が行われた。アジア選手権はIBSA公認になった2005年の第1回に勝って以来、日本代表は優勝から遠ざかっている。マイクをもった川村怜主将の表情は澄み切っていた。

「アジアでの戦いは世界的見ても本当に厳しいですが、環境の変化などにに対してチーム全員で対応し、適応していくことが勝利するために必要なこと。5試合通して選手が成長していく姿を見守ってほしい。アジアは世界的にも厳しいけど、しっかり勝ちきって東京大会にのぞみたいと思います」

 タイで行われる今大会は常に雨が降り、しかもそこに加わる暑さも加わって、キックオフ時間は現地時間の朝8時、15時台、17時台と変則的になる見通し。日本代表にとっての開幕戦・オマーン戦、強豪イラン戦が午前8時となる見通しだ。当然、食事時間や睡眠時間も変則的になり、そこに対応してなおかつ自分たちの持てる力を出しきる力も求められてくる。

 川村にとってのアジア選手権は悔しい思いの方が大きい。一番印象に残っているのは2015年、リオデジャネイロ五輪の出場権をかけた大会。代々木で行われたが、4位に終わり、五輪の出場権を獲得できなかった。川村はこの大会で6試合で7ゴールをあげる活躍を見せたが、それでも切符に届かなかった。

「当時、100%以上の力を出し切れた。それなのに届かなかった。終わった当初はこんなにも高い壁が立ちはだかったいるのか。これ以上、何をすればいいのか」という思いがありましたが」、その悔しさがあったからこそ、大きく成長できていると思います。まず自分が変わることが、チームが世界に対して変化できることだと感じました」

 アクサ生命に所属しているが、会社の理解もあり、練習を優先できる環境を整え、
他競技の一流選手が集うジムにも通いはじめた。

壮行会で挨拶する川村怜

 開幕戦のオマーンは国際大会に出たことのないチーム。だからこそ、川村はもっとも警戒している。

「戦ったことのない相手、情報がない相手というのは、目が見えない人たちにとっては不安しかないんです。初戦の戦い方は大会を通して戦う中ですごく大事になると思います」

 同じ組に世界ランク6位のイラン、決勝トーナメントに進めば同3位の中国や同15位のタイなどとの対戦も予想されるが、14年ぶりのアジアの頂上を目指すからこそ、川村の頭の中には9月30日の1戦必勝の思いしかない。

▼日本代表合宿参加メンバー
GK佐藤大介(たまハッサーズ)
GK高橋太郎(ラッキーストライカーズ福岡)
FP川村怜(パペレシアル品川)
FP田中章仁(たまハッサーズ)
FP黒田智成(たまハッサーズ)
FP加藤健人(埼玉T.Wings)
FP寺西一(パペレシアル品川)
FP佐々木ロベルト泉 (パペレシアル品川)
FP佐々木康裕(松戸ウォーリアーズ)
FP園部優月(free bird mejirodai)
ガイド中川英治
監督高田敏志

▼アジア選手権過去の戦績
2005 優勝(3か国)
2007 4位(4か国)
2009 準優勝(5か国)
2011 3位(4か国)
2013 準優勝(3か国)
2015 4位(6か国)
2017 5位(6か国)

(取材/文 林健太郎)

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