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小嶺監督「良くなった。あとどれだけやるか」。長崎総科大附は甘さ気付いた上級生と期待の下級生全員でプリンス残留、全国へ

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後半18分、長崎総合科学大附高MF島田隼人が右足シュートをゴールに突き刺す

[9.25 プリンスリーグ九州第14節 九州国際大付高 3-3 長崎総合科学大附高 九州国際大G]
 
 また、勝ち切ることができなかった。それでも、良くなってきていることは確かだ。

 長崎総合科学大附高の名将・小嶺忠敏監督は終盤の2失点で追いつかれた試合後、「こういうところが甘い」と首を振った。それでも、「今年のチームでは、良くやった」と認めるコメントも。MF鶴田快聖(3年)やMF中島勇気(3年)をはじめとした選手たちが序盤から球際、切り替えの速さで常に先手を取り、FW国吉シントク(2年)の素晴らしい2ゴールで2点を先取した。最終ラインも集中した守りでシュートブロックを連発。ハイボールに強いU-16日本代表候補GK梶原駿哉(2年)も安定したプレーを続けていた。

 前半終了間際にFKがゴール前に流れたところを押し込まれて失点したが、後半にも右SB朴倍漌(3年)の突破からMF島田隼人(3年)がファインショットを決めて再び2点差。FW千葉翼(3年)やMF岩永空潤(2年)が相手DFに間を与えずにシュートを放つなど、長崎総科大附の良いところがいくつも表現されていた。

 だが、試合終盤、相手のパワープレーの前に反応が遅れてしまうシーンや判断ミスが増加。ゴールライン上で決定的なシュートをクリアするシーンもあったが、我慢することやゲームをコントロールすることができず、相手に飲み込まれて勝ち点3を逃す結果となった。

 試合後はうずくまって涙する選手も。MF高武大也主将(3年)は「実際勝てる試合だったので、今まで全部勝てる試合を落としてきてそれを克服することができていないから、その悔しさがあって泣いているかなと思いました」とチームメートの心情を代弁していた。

 今年の3年生は小嶺監督の去就が定まっていない時期に入学してきた選手たちだ。他の学年に比べると、県選抜クラスの選手が少ないのは確か。だが、小嶺監督が“やれるまで、やる”と公表されたことで、1、2年生は力のある選手が多く入学してきている。この日はドリブルで違いを生み出すFW小田晃暉(2年)が体調不良の影響で不在だったが、1、2年生5人が先発。今年の球蹴男児U-16リーグ(九州U-16リーグ)では東福岡高や大津高を抑えて首位を走り、MF別府史雅(1年)ら注目される存在もいる。

 今年は長崎県新人戦の連覇が8でストップ。インターハイ予選は準々決勝で敗退した。プリンスリーグ九州も暫定で最下位と厳しい状況だ。選手権でのベスト8進出などを見てきた選手たちは当初、「自分たちもできる」と錯覚してしまった部分があったというが、結果が出ない中で謙虚になり、彼らなりの成長を示してきている。

 ただし、まだまだ勝ち切ることができていない。小嶺監督は「春に比べたら良くなった。あとどれだけやるか。考え方を言うしか無い」と語り、高武も「詰めが甘い。私生活とかを改善していかないといけないと感じました。ピッチ外がまだちょっと甘いので、小嶺先生にもよく言われている」とピッチ外の部分からさらに変えていくことを誓っていた。

 高武は今後の戦いへ向けて、「何が何でも全国、プリンスは落とせない。それをチーム全員が思っているので。そのためには今まで以上にやっていかないと変われないと思うから、もう一回チーム全員が自分たちの行動だったり、チームとしてどうなのかをみんなで話し合ってぶつかっていかないといけないかなと思います」と語った。

 このままでは、終われない。誰よりも情熱を持ち続ける小嶺監督の言う「バカみたいに。がむしゃらに。マジメに」努力を継続し、全員で全国出場、プリンスリーグ残留を果たして歴史を繋ぐ。

(取材・文 吉田太郎)
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