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[MOM2984]鹿児島県MF大迫塁(神村学園中3年)_特大のインパクト。逆転勝ち導く3アシスト

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鹿児島県のU-15日本代表MF大迫塁(神村学園中)は全てスルーパスで圧巻の3アシスト

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.30 国体少年男子2回戦 鹿児島県 3-2 千葉県 高松緑地多目的球技場(人工芝)]
 
 柏U-18と市立船橋高中心の千葉県相手に“スーパー”な活躍を見せた。鹿児島県は神村学園中3年生のU-15日本代表MF大迫塁が、全てスルーパスから3アシスト。「相手の位置を見て受けるところとターンの向きも良くて、フリーで持って作ることができた」という「今日イチ」の3アシスト目など、得点に結びつけた3つのスルーパスはいずれも絶品だった。

 国体少年男子の部はU-16の大会。大迫は1学年下のU-15世代に当たるが、その判断力や技術は上の世代のタレントたちの中に入っても十分に違いを生み出せるものだった。前半終了間際に左サイドからトップ下へポジション変更。「『間で、相手の嫌な位置で受けろ』と(大久保毅)監督(鹿児島U-18)に言われていたので意識していました」という大迫は狭い局面でもトラップ、ポジショニングでボールを受けるタイミングを変えるなど、足元の技術だけではない巧さも示して攻撃を活性化した。

 そして、後半2分にMF片山捷真(神村学園高)へスルーパスを通してアシストすると、後半4分、17分にはいずれも神村学園中でチームメートのFW福田師王のゴールを演出。お互いに「やりやすいです」と評するホットラインで千葉県の守りを見事に攻略した。

 まだまだ判断ミスや個人プレーに走ってしまう部分があることも確か。本人はU-15日本代表で国際試合を経験し、より展開力や相手の寄せが速い中でのプレー精度を求めている。また、この日は3アシストの大活躍をしたが、無得点に終わったことを悔しがっていた。

 それでも、大久保監督が「僕が見えているところじゃないところを見えている」と絶賛する才能。鹿児島県選抜の「決まりや戦術はあるけれど、無視できるのが凄い選手。無視した時は絶対に成功させろ」という指導法もあって伸ばした“凄み”を大迫はピッチで表現している。特別なセンスと献身的な守備も特長とするレフティーが今後、どのような進化を遂げるのか注目だ。

 鹿児島で大迫と言えば、真っ先に思い浮かぶのは同県出身の日本代表FW大迫勇也。「(自分も)『半端ない』と言われたい?」という質問に照れながら「言われるように、頑張りたいです」と応えた大迫が、インパクトのある活躍を続けて、鹿児島県の目標であるベスト4、それ以上の成績をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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