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[MOM2985]静岡県FW千葉寛汰(清水ユース、1年)_3戦6発!苦悩の時期乗り越えて“図抜けた得点感覚”発揮中

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後半アディショナルタイム、静岡県FW千葉寛汰(清水ユース)がこの日2得点目のゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.1 国体少年男子準々決勝 東京都 1-3 静岡県 北海浜多目的球技場]

 この日の2ゴールで3戦6発。U-16日本代表のストライカー、FW千葉寛汰(清水ユース、1年)が“図抜けた得点感覚”を発揮し、静岡県をベスト4へ導いた。

 この日は前半終了間際にMF金子星太(清水ユース、1年)の先制点をアシスト。そして後半6分、左サイドのMF熊取谷一星(浜松開誠館高2年)からのパスをPAで受ける。「ファーストタッチがしっかりと止められた」という千葉に対し、東京都DFは足が止まってしまう。こうなると千葉の“ゾーン”。自らスペースを作り出してから左足シュートを右隅に突き刺した。

 1トップの千葉はポストプレーに加えて、スペースを突く動きも特長。サイドへ流れてから決定的なクロスを上げるなどチャンスに絡んだ千葉は、試合終了間際にダメ押しゴールを決めた。

 相手のクリアミスがPAの千葉の頭上へ。浮き球のコントロールはまだまだ途上段階という千葉は「来ちゃった、みたいな感じでした」と振り返る。余裕があった訳ではなかったようだが、このボールをピタリと止めると右足でゴール。本人も「練習の成果が出たと思います」と納得する一撃を決めると、“どうだ!”とばかりに両手を広げてチームメートや観衆にその姿を強調していた。

 この日はU-16日本代表のライバル、東京都FW野澤零温(FC東京U-18)の1得点を上回る2得点。千葉は今大会、U-16世代の才能相手に圧巻のゴールラッシュを続けて得点王争いで独走している。村下和之監督(沼津西高)も「得点を獲る感覚は図抜けている」と評するストライカーだが、国体開幕前は苦しい時期が続いていたのだという。静岡県の1トップを務める千葉はポストプレーを意識するあまり、自分のプレーのリズムを崩し、結果が出ずにネガティブなメンタリティーになってしまっていた。

 だが、指揮官と話し合ったりする中で解決。「自分の得意な背後への抜け出しとゴール前の迫力というところを思い切って出そうというところで、上手くハマっていると思います。今は思い切って、楽しくプレーできているかなと思います」。大会直前のプレミアリーグ3試合で2ゴールと清水ユースで結果も出してきたFWは、止まらない存在になっている。

 それでも、本人は「謙虚に。優勝をしていないし、得点王という結果も得ていないし、勝負はこれからだと思っている。ゴールはここではないし、もっと上を目指してやりたいです」。国体の目標は優勝と得点王の2冠。例え、それを達成したとしても意識高いストライカーは清水トップチーム昇格、日本代表入りへ向けて満足せずに成長を目指していく。

 憧れの存在は清水OBのFW岡崎慎司。「小さい頃、(岡崎が)エスパルスだったので身近だったということもあったんですけれども、泥臭くゴールを目指しているし、ピッチ外でも自分の短所に対して努力を惜しまずにやっているし、努力を続けられるところは本当に尊敬していますし、ああいうFWになりたいです」という千葉が、その決定力や努力する才能を磨いて、偉大な先輩のような日本を代表するストライカーになる。

(取材・文 吉田太郎)
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