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アジア選手権でブラサカ日本代表がエース川村が2戦連発で準決勝へ。明日、強豪・イランと激突

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マレーシア戦で貴重な先制弾を決めた川村怜(提供:日本ブラインドサッカー協会)

[10.1 グループリーグ第2戦 日本代表 2-0 マレーシア代表](タイ・パタヤ)

 来年の東京五輪パラリンピックの出場国を決める最終予選を兼ねたブラインドサッカーのアジア選手権でグループBの日本代表は1日、第2戦でマレーシア代表と戦い、2-0でタイで快勝した。また、グループAは強豪・中国代表が韓国代表を8-0で下し、順調に白星発進した。

 試合開始当初は自陣のゴール前で守備を固めてカウンターを狙うマレーシアにシュートを打つスペースを確保できずに手こずったが、前半7分、主将の川村怜がFKを起点に右足で決めて流れを完全に引き寄せた。その後、停電により、一時試合はストップ。せっかく引き寄せた流れが一度途切れたが、後半10分に佐々木康裕が2試合連続ゴールを決めて勝利を決定づけた。川村が振り返る。

「練習してきたFKから得点できたことは、個人としてもチームとしても良かったです。その後、(停電で)試合が止まる時間が多くて難しい試合だったので、前半のいい時間帯に先制できたのは大きかった。チーム全員で事前にいろんな状況を想定して共有していたので、どのような状況になってもブレずに対応できていたことが自信になっている。チームの雰囲気も、それぞれの役割を理解し果たせるメンバーが増え、チーム力の高まりを感じます」

 2連勝して準決勝進出はきめたが、3試合目の相手は2016年リオデジャネイロパラリンピックで銀メダルに輝いたイラン。2試合で14得点をあげた攻撃力が脅威だ。しかも、キックオフ時間は現地時間の朝8時だ。開幕戦の9月30日は朝8時、翌日は夕方6時と大きく変わり、今度は再び朝に戻った。選手の体内時計もこの変化に対応することを求められている。イレギュラーな時間帯に食事をとれるような準備も水面下ですすめてきた。高田敏志監督が明かす。

「イランの驚異的な攻撃力をどう抑えるかがポイントになる。まずは良い守備からリズムを作り、相手の陣形をよく見て攻撃のチャンスを作りたい。チームとしては勝って1位通過を目指すことを決めている。必ずチャンスはあります」

 日本代表は3月のワールドグランプリを終えてから、トルコ、スペイン、ブラジル、イングランドと強豪国と対戦し、経験値を積んできた。その成果を強豪・イランにどう出せるか。14年ぶりのアジア制覇へむけ、最初の関門となる一戦で、選手、監督、コーチ、スタッフの総合力も試される一戦になる。

▼日本代表の大会スケジュール
9月30日〇5-0 オマーン
10月1日〇2-0 マレーシア
10月3日10:00 (8:00)イラン戦
10月5日10:00 (8:00) 7位決定戦
     17:30 (15:30) B1位 - A2位
    20:00 (18:00) A1位 - B2位
10月6日10:00 (8:00) 5位決定戦
    17:30 (15:30) 3位決定戦
    20:00 (18:00) 決勝戦
※( )の時間はタイの現地時間

▼アジア選手権過去の戦績
2005 優勝(3か国)
2007 4位(4か国)
2009 準優勝(5か国)
2011 3位(4か国)
2013 準優勝(3か国)
2015 4位(6か国)
2017 5位(6か国)

【日本代表メンバー】
GK佐藤大介(たまハッサーズ)
GK高橋太郎(ラッキーストライカーズ福岡)
FP川村怜(パペレシアル品川)
FP田中章仁(たまハッサーズ)
FP黒田智成(たまハッサーズ)
FP加藤健人(埼玉T.Wings)
FP寺西一(パペレシアル品川)
FP佐々木ロベルト泉 (パペレシアル品川)
FP佐々木康裕(松戸ウォーリアーズ)
FP園部優月(free bird mejirodai)
ガイド中川英治
監督高田敏志

(取材・文 林健太郎)

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