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[MOM2987]静岡県MF藤原健介(磐田U-18、1年)_注目ボランチ、自信持つ技術面含めて良さ存分に発揮

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注目ボランチ、静岡県MF藤原健介(磐田U-18)が快勝に貢献。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.2 国体少年男子準決勝 静岡県 6-1 山口県 新浜緑地多目的球技場]

 先発復帰した静岡県MF藤原健介(磐田U-18、1年)が期待に応えるパフォーマンスで快勝に貢献した。

 1年生ながら磐田U-18で先発出場を続けるU-16日本代表候補ボランチは、2回戦の茨城県戦で自分のプレーを全て出すことができず、前日の準々決勝・東京都戦はベンチスタート。だが、後半からの途中出場で攻撃にリズムを作った藤原は先発復帰したこの日も、「プレミアリーグでも1年生ですけれども、そこだけは上の学年に負けたくないと思っている」という技術面や自信を持っているプレースキック、セカンドボールの回収など特長を発揮した。

 プレースキックは立ち上がりから連続で味方に合わせることに成功。前半11分には右CKでFW杉本大雅(沼津U18)のゴールをアシストした。「自分の長所はキックなので、1本目を蹴った時にGKが前に出ると認識して、2本目、3本目はGKが出ないところに落として、2本目で入ったのでそれは良かったです」。ゴールシーンの他にもピンポイントのキックを見せて相手の脅威となっていた。

 後半には絶妙なスルーパスでFW千葉寛汰(清水ユース)のPK奪取を演出し、ポスト直撃のコントロールショットも放った。加えて、藤原はボールを奪う、ゴールを奪うことを強調するチームの中で、ダブルボランチを組むMF東廉(清水ユース)とともにハードワークを継続。「前半のワンブレイクの時に『2ボランチがもっと前に絡んで行け』と言われていたので、自分から前に出ていきました」。ボックストゥボックスで仕事をするMFは技術面以外の部分での奮闘も光った。

 静岡県の村下和之監督(沼津西高)も「(前日に先発を外れ、)彼も思うところがあったかもしれません。でも、『オマエがボールを動かしてとか、ボールを拾ってといったところは凄く信用しているよ』と話をして、彼は表現してくれたので良かったなと思っています。セットプレーも『きょうはセットプレーで獲るぞ』と話していましたので、ゴールも獲れましたし、彼は表現してくれたなと思っています」と自分の良さを発揮した藤原を高く評価していた。

 今回の国体でジュビロ磐田U-18から静岡県選抜に選ばれているのは藤原一人。「選ばれていないジュビロの仲間のためにも、静岡代表なのでここで結果を出せれば良いかなと思っています。(アピールして年代別日本代表に定着するためにも)決勝で結果を残したい」と静かに闘志を燃やしている。

 磐田はクラブの寮からトップチームの練習を見学することができる。藤原はそこでMF中村俊輔(現横浜FC)の視野の広さなどを見て刺激を受けてきた。将来の目標は中村のように日本代表で活躍すること。強みを伸ばすことはもちろん、課題に挙げている守備面で自分からスイッチを入れてボールを奪いに行く部分などもレベルアップさせて、目標とする場所に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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