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「一番小さい県でも、これだけできると見せよう」。香川県は惜敗も、初の4強の経験を次世代へ

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好守を連発した香川県のU-15日本代表GK松原快晟。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.2 国体少年男子準決勝 広島県 2-0 香川県 新浜緑地多目的球技場]

 今大会無失点で初の4強入りを果たした香川県は、準決勝でもU-15日本代表GK松原快晟(讃岐U-15)が前半29分にPKをストップ。微妙な判定で与えたPKによる失点を防いた松原は、直後にもビッグセーブを見せてチームを盛り上げる。

 だが、広島県はこれまでの対戦相手以上に攻撃のテンポが速く、奪い返しの部分も強烈。守勢の展開が続く中でも各選手が守備のタスクを全うしようとしていたが、集中力を維持するのは簡単ではなかった。

 松原は「前半でPK1本止めれて、次に1本良いセーブできて…でも自分の中で集中力が切れてしまった」と悔しがったように、セットプレーから悔しい2失点。石田英之監督(讃岐U-18)はその後何度も押し込まれながらも追加点を与えなかったことについて「最後まで粘り強く守っていたのはチームの良さだと思う」と頷いていたが、快進撃は準決勝でストップした。

 それでも、香川県の歴史を変えたことは間違いない。石田監督は「一番小さい県でも、これだけできると見せようと話していた」という。立ち上がりから前に出てボールを奪い切るなど入りの良さと組織的な守備。そして、「チーム競技なので年上だからといって一歩引いてしまうとやりづらい。一番うしろから見えているのでリーダーシップを持ってやらないといけない」という中学生GK松原がリーダーシップを持ってチームを支え続けた。

 加えて。勝負どころでFW岩佐麟太郎(讃岐U-18、1年)やFW川田脩斗(讃岐U-18、2年)、MF富永拓斗(讃岐U-18、1年)、FW小山聖也(讃岐U-18、1年)が貴重なゴールを決めるなど堂々の戦いを見せた。これが香川県の次世代や四国の他県の選手たちに勇気を与えたことは間違いないだろう。

 松原は「来年とかあるので、下の代や四国にも良い刺激になったと思います」と語った一方、「きょうの試合以外は良かったと思うけれども、最後のちょっとしたところで勝敗が変わってしまう、修正しなければいけない」。来年の目標は今年超えだ。まずは3日に開催される山口県との3位決定戦に全力を尽くすこと。勝って、さらなる自信と経験を香川に持ち帰る。

(取材・文 吉田太郎)
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