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山口県は49年ぶりの準決勝で敗退も気迫の戦い。3位決定戦でも積み上げて地元へ

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中盤での鋭いドリブルなど山口県を引っ張ったMF末永章太郎(高川学園高)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.2 国体少年男子準決勝 静岡県 6-1 山口県 新浜緑地多目的球技場]

 49年ぶりに準々決勝を突破した進出した山口県だったが、準決勝は立ち上がりにミスから失点。ボールを奪いきれずに主導権を握られたチームはセットプレーとワンツーによって守りを崩されるなど前半だけで3点を奪われてしまった。

 愛知県、大阪府、そして岡山県との激闘を続けてきたチームは疲労の色も見えた。だが、選手たちの声は絶えない。後半は気持ちが全面に伝わってくるような戦い。特にエネルギッシュな攻守でチームを牽引したMF末永章太郎(高川学園高2年)は「後半は全然みんな勢いがあって、3点差を追いつこうと」と振り返る。

 PKによって4点目を奪われた後の13分、鮮やかなパスワークからU-16日本代表のエースFW河野孝汰(山口U-18、1年)がマークを外して左足で追撃ゴール。その後も各選手たちが運動量を上げ、右SB吉田光(山口U-18)が攻め上がりから強烈なミドルシュートを狙ったり、CBから前線に移った田中誠太郎(高川学園高2年)がパワフルな突破を繰り出すなど、点差を感じさせないような戦いを見せていた。
 
 結果は1-6で完敗。末永は「全然球際のところとか静岡の人にも勝てなかった。まだまだ」と首を振る。それでも、今大会は準々決勝のヒーロー・GK徳若碧都(高川学園高1年)やMF柳井敦志(山口U-18、2年)を中心とした粘り強い守りとエース河野の活躍などで歴史を変えた。

 ここまでの戦いについては、松井大輔監督(西京高)も「(ベスト4は)U-16になってから初めて。選手たちの力だと思います」と賞賛。そして、3日の3位決定戦へ向けて「『しっかりと積み上げて山口に帰ろう』と。それぞれの所属先で一人ひとりがサッカー選手として次に繋がる終わり方ができれば良い。できるだけたくさん次に繋がる要素の得られる試合にしたい」と期待した。

 末永は「全国のこういった上手い人たち、日本代表の人たちとやれて、プレッシャーの中で自分の良さを出すということを学びました。(3位決定戦は)全員で気持ちを切り替えて、新たな歴史を残したいです」ともう1勝して国体を終えることを誓った。

(取材・文 吉田太郎)
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