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0-3から大逆転の“神試合”で魅せたプロの矜持…レバ「指が勝手に動いた」

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ガッツポーズを見せるレバこと相原翼

 第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」(茨城国体)の文化プログラムとして「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」が5、6日に茨城県のつくば国際会議場で開催された。ウイニングイレブン(ウイイレ)部門は「少年の部」(高校生)と「オープンの部」(年齢制限なし)に分かれ、それぞれ全国47都道府県代表の48チーム(開催県の茨城県のみ2チーム)が出場。茨城県第1代表と茨城県第2代表が激突した「オープンの部」決勝では、プロゲーマーのレバこと相原翼を擁する茨城県第2代表が4-3で逆転勝ちし、初代王者に輝いた。

 0-3からの大逆転劇で日本一に上り詰めた茨城県第2代表。昨年のアジア競技大会で金メダルを獲得する快挙を成し遂げた相原が再び大舞台で魅せた。互いにモナコを使用した決勝は後半15分までに3失点し、「まさか3点先行されるとは思っていなかった」(相原)という苦しい展開。それでも直後の後半17分に相原の得点で1点を返すと、同25分にCKからキャプテンの酒井聖太がゴール。連続ゴールで1点差に詰め寄り、一気に流れを引き寄せた。

 すると後半29分、相原の操作するFWムサ・シッラが相手の最終ラインにプレッシャーをかけ、ボールを奪取。そのまま中央をドリブルで突破し、GKとの1対1を迎えた。決定機だからこそプレッシャーもかかる場面。それでも相原は落ち着いていた。斜めにボールを運んでシュートの角度を付け、左足でゴール右隅へ。値千金の同点弾だったが、自分でも無意識に出たプレーだったという。

「ドリブルで少し上に行って、いつもならあそこで上(ゴール左)を狙っていた。なのに下(ゴール右)に蹴ってしまって、やばいと思ったけど、指が勝手に動いた」。結果的に相手の裏もかき、3-3の同点に。さらに後半34分、PKを獲得すると、キッカーは相原が操作するMFアレクサンドル・ゴロヴィン。「緊張した」という運命のキックを冷静にゴール左に決め、「ゴロヴィンがよく決めてくれた」と笑みをこぼした。

 4-3と試合をひっくり返したが、茨城県第1代表も簡単には引き下がらない。後半アディショナルタイムにチャンスを迎え、決定的なシュートを打ったが、惜しくもポストを直撃。さらにその跳ね返りがGKの背中に当たってゴール方向に転がっていったが、間一髪のところでクリアされ、直後にタイムアップの笛が鳴った。

 このラストプレーについて相原は「(GKを自分で操作する)マニュアルキーパーにして、ニアに動かしてシュートコースを切ったつもりだった。ポストに当たってGKの背中に当たって“やっちゃった”と思ったけど、ボールが止まってくれて……。これも運なのかな」と苦笑いを浮かべながら振り返った。

「1v1で結果を残して、1v1でプロゲーマーになった」と話すように、普段はプレイヤーが1対1で対戦する1v1が主戦場の相原だが、国体は3人協力プレイのCO-OPモードで行われた。都道府県予選から1v1の実力者を擁するチームが相次いで敗退し、全国大会でもプロゲーマーを複数抱え、優勝候補の呼び声も高かった大阪府代表が準々決勝で敗れる波乱が起きた。

笑顔を見せるレバこと相原翼

「1v1とは違う緊張感がある」と同時に、お互いの声がけやコミュニケーションも大事になるCO-OPモード。19歳の相原からチームのキャプテンであり最年長41歳の酒井まで幅広い年代で構成された茨城県第2代表だったが、チームワークはどのチームよりも際立っていた。4月の茨城県第1代表決定戦で敗れてから「結構きついことも言ってきたりした」(相原)という。それでも、第1代表決定戦後にチームに加入した山崎祥平を含めて練習を重ね、個々のスキルとともに連係面にも磨きをかけてきた。

 茨城県第1代表決定戦のリベンジを果たした相原にとっては、9月12日に「東京ゲームショウ(TGS)」内で行われた「第11回eスポーツ ワールドチャンピオンシップ」日本代表決定戦の決勝で敗れた悔しさを晴らす優勝にもなった。「TGSでの悔しさを忘れず、この国体を目指してきた。集中してできたことが良かった」。アジア大会の金メダリストであり、プロゲーマーとしての矜持を見せた相原は「CO-OPだと、1人で勝つより3倍喜びもある」と会心の笑顔を見せた。

(取材・文 西山紘平)

●茨城国体 全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019ウイニングイレブン(ウイイレ)部門

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