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両親は他競技の指導者としてインハイ上位。立正大淞南GK豊田純平は目標を「見失わずにやっていかないといけない」

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今夏、両親から刺激を受けた立正大淞南高GK豊田純平は選手権で目標達成へ

 第98回全国高校サッカー選手権の各地区予選がスタートしている。松本山雅FC内定の“逸材パサー”MF山田真夏斗(3年)擁する立正大淞南高は10月25日の島根県予選初戦で吉賀高と対戦。今年、12年ぶりにインターハイ出場を逃したチームにとっては復権、そして目標とする全国4強超えのためにも絶対に負けられない大会だ。

 GK豊田純平(3年)は身長170cm台前半と小柄だが、名門で下級生時からゴールを守ってきた注目守護神。抜群の跳躍力とセービング力を持つGKが、夏に成長した部分や選手権への意気込みなどについて語った。

―インターハイに出られないことは想像もしていなかったと思うが?
「自分が入学してから1回も(島根県内で)負けたところを見たことが無かったし、体験したことがなかったので、正直、新人戦で負けた時もそうでしたけれども、インターハイで負けた時のショックはデカかったです。逆にあの光景を目に焼き付けようと思って、負けてから目をそらさずにずっと大社高校(の喜ぶ姿)を見ていたので、自分が苦しいと思う時はあの光景をもう一度思い出して頑張ろうと思っています」

―そのエネルギーを持って夏を過ごせた。
「正直、夏は上手く行かないことが多くて、チームで言い合いになることもありますし、でもやっぱり一人ひとりが自分と向き合って本気でやった結果、言い合いになるのは僕は全然悪くないと思う。藻掻いたのも冬に勝つためですし、チームとして最も成長できた要因かなと思います」

―本気でぶつかりあったからこそ見えたものとは?
「インターハイでは一人ひとりの甘さが凄く出たと思います。あの決勝の舞台は逃げも隠れも出来ないですし、最後自分しかいないので、そういう部分で一人ひとりの甘さがあって、日頃の生活とか足りていないのであれば周りが言ってあげるとか、みんなで支え合うことを夏は意識してやってきました」

―自分のプレーについても気付いた部分がある。
「(インターハイ予選県決勝の)あの1失点は自分が出れていれば防げた失点でしたし、南先生からよく言われるのは淞南高校からプロに行った神山竜一さんならば絶対に出て止めれていたと。自分もそうだと思いましたし、自分に足りないのはやっぱりフィジカルだと思ったので、この夏は特にフィジカルを意識してやってきました」

―身長は高くないが、だからこそできることがある。
「デカイGKというのは徳島市立のGK(中川真)だったり、仙台育英のGK(佐藤文太)だったり、凄くデカくて評価されているGKがいますけれども、自分にしかない良さがあると思う。小さいことは言い訳にできないですし、小さいことを悔やんだことはないです。小さい分、そこで補える部分や輝ける部分があるし、自主練などチームで誰よりもやってきた自信はあります」

―選手権へ向けて。
「予選は苦しい戦いが待ち受けていますし、去年の経験でそれは十分に分かりました。3年生で迎える選手権はまた違いますし、僕も初。僕一人の力では何ともならないですし、Jリーガーが誕生しましたけれども、選手権は最終的にチームとしての力が大事になってくる。全国制覇するのもそうですけれども予選で勝たないと全国はないので、予選に向けてしっかりとチームとして上げていきたい」

―家族の支え、存在も大きい(父・充浩さんは東山高男子バレーボール部監督としてインターハイベスト4。母・薫さんは京都精華学園高女子バスケットボール部コーチとしてインターハイベスト8)
「夏、親は2人とも全国出ていて自分の中で情けなさとかありました。でも、両親はここ(立正大淞南)に来ると言った時は快く『行ってこい』と言ってくれましたし、ここに来た理由は島根を制すことだけではなくて、全国で活躍するためにここに来たので、その目標というのを見失わずにやっていかないといけない。親が全国大会で活躍しているのを見ると、自分も負けられないと思いますし、親の全国大会も見に行かせてもらったんですけれども、凄く刺激をもらいました」

―島根から九州まで見に行った。
「(父が指導する東山バレーボール部の)ベスト4を見に行かせてもらったんですけれども、見て(選手たちが)大人だなと感じて…。冷静でしたし、苦しくなった時に声を掛け合っていた。自分たちにはまだまだ足りないと思いましたし、全国トップクラスの選手というよりも一人の高校生として大人びているな、見習わなければならないなと思いました」

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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