beacon

シュート数32対0! GK権田は自陣に独りきり「逆に神経を使った」

このエントリーをはてなブックマークに追加

自陣に独り構えた日本代表GK権田修一(ポルティモネンセ)

[10.10 W杯アジア2次予選 日本6-0モンゴル 埼玉]

 公式記録上のシュート数は32対0。FIFAランキング183位のモンゴルを相手に日本代表は圧倒的な優勢を保った中、GK権田修一(ポルティモネンセ)のプレー機会は数えるほどしかなかった。だが、これから長いW杯予選を戦っていく上では実りある一戦となったようだ。

 攻撃時にはフィールドプレーヤー全員が敵陣に入り、時にはセンターバックのDF吉田麻也(サウサンプトン)とDF冨安健洋(ボローニャ)までもアタッキングサードに入りそうなポジションを取っていた日本代表。この日、権田は相手のクリアボールを拾う場面があったくらいで、ゴールキックは一度もないという珍しい90分間を過ごした。

 その結果、チームは6-0の完勝。後方から戦いぶりを見つめていた権田は「サイドから攻めるところ、中から行くところで効果的な攻撃ができていて。チームとして大迫がいなくて、代わりに謙佑がいたけど、大迫がいない中での彼の良さはなんだというところが使えていた」と攻撃陣を頼もしく感じていたという。

 もっとも、一方的な優勢だっただけに失点は許されない。警戒を怠ることはできずに「マヤとかトミが相手陣地のセンターサークルの前くらいに行っていたので、逆に言えばこっち側にスペースがある。たとえば相手のストッパーが持ち出した時はボールサイドの後ろが弱くなるし、そこは僕がカバーしないといけないという意識でポジションを取っていた」と振り返る。

 そうした「逆に神経を使った」一戦を経て、権田は「こういう2次予選を外から見ていた時は『点が入ったら楽』だなと思っていたけど、こういう試合で集中力を高めることが個人としてプラスになると思った」と前向きな実感も。今後の戦いに向けて「プレー機会は少なかったけど、その中では90分間通して集中するのが難しいので、そういうところが良かった」と手応えを得たようだ。

(取材・文 竹内達也)
●カタールW杯アジア2次予選特集ページ

TOP