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[MOM2992]流通経済大柏GK佐藤藍大(3年)_CB挑戦中も「GKで出るのが目標」連続PKストップで優勝導く!

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流通経済大柏のGK佐藤藍大(3年)はGKとセンターバックの“二刀流”

[9.29 adidas Festival 2019 Div1決勝 流通経済大柏高2-2(PK4-3)桐生一高 RKUフットボールフィールド]

 PK戦までもつれ込んだ熱戦に決着をつけ、流通経済大柏高を頂点に導いたのはGK佐藤藍大(3年)の連続ビッグセーブだった。後輩GKにレギュラー争いで先を越され、センターバック起用もこなす3年生守護神。「GKとして勝負したい」という確固たる気持ちを与えられた貴重な機会で表現してみせた。

 PK戦は1本目、3本目、5本目が勝負——。GKコーチのそうした教えを胸に留め、「得意な分野なので自信はあった」と挑んだPK戦。1本目と2本目は相手のキックにネットを揺らされたが、味方が1本外した直後の“勝負”の3本目を鋭い予測で止めてみせた。

「秘訣はここでは言えないけど、相手のことを見るようにしていて、相手がボールを置く時の向きなども見ている」。そうした駆け引きに裏付けられた読みは4本目も的中。相手守護神も1本を止めたが、「威圧感をかけられるようにでかく見せている」という現在194cmの守護神が2本ストップで上回った。

 今季は最終学年。しかし、1年時から主力を担うGK松原颯汰(2年)の存在により、ここまで出番はそう多くない。今夏からは中学時代に始めたGKだけでなく、長身を活かしてセンターバックにも挑戦中。今大会でもグループリーグはGKとDFで併用され、1試合で2種類のユニフォームを着替える姿も見られた。

「体力的にはアップダウンとかそんなに激しくしないのでCBをやっているときは苦しいけど、CBのプレーがGKにつながる部分もある。いい経験だなと思って取り組んでいる」。DF起用をそう前向きに受け入れる17歳だが、やはり「GKとして試合に出ることが目標」。選手登録枠が「一つ増える」という働きだけに満足するつもりはない。

 そうした中、この日の活躍は一つの自信となったという。「少ない出場機会でどれだけチャンスを活かせるかというのを自分の中で思っていた。2失点はしてしまったが、自分の力で勝ち切れて良かった」。そう振り返った佐藤は「他のチームから見たら流経のGKは松原と思われがちだけど、佐藤藍大というGKもいるんだと印象づけられれば」と意気込む。

 そのためにはむろん、さらなるスキルアップが必要だ。「自分の課題は足元の技術やキックの精度。そういうところを練習でもっと磨いて、キックの種類を使い分けられればもっと良くなる。また身長が高いのでクロスボールを得意にしないといけないけど、そういう部分を見せられていない。練習からいいパフォーマンスができるようにしていきたい」と語り、ひたむきな努力で乗り越えていくしかない。

 中学年代にクラブドラゴンズ柏でサッカーを始め、GKに挑戦するも出場機会を得られなかったという佐藤。「自分的にも苦しい時期もあって、何回かサッカーをやめようと思った。ただ、そうして続けて折れないメンタルを作ってきた。松原がいて出られない時にもしっかり腐らずやってきた」。大晦日に誕生日を迎える長身GKは18歳最初の冬、そして高校生活最後の冬に向け、レギュラー奪取の大逆転劇を演じる覚悟だ。

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(取材・文 竹内達也)

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