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英国メディアも平壌開催の南北対決に注目「世界で最も奇妙なサッカーダービー」

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試合会場となる金日成競技場

 イギリス『BBC』は15日、29年ぶりに平壌で開かれる北朝鮮代表と韓国代表の一戦について「世界で最も奇妙なサッカーダービー」と表現した。

 15日に行われるカタールW杯アジア2次予選で北朝鮮と韓国が平壌で対戦する。これまで南北戦は、韓国または第三国での開催が通常であった。そうした背景もあり、平壌での開催は韓国国内だけでなく、世界的にも大きな注目を集めている。

 一方で、両国の選手間でのユニフォーム交換が対北制裁により禁止、韓国選手団の携帯電話、およびタブレットといった機器の持ち込みも“NG”となっただけではなく、メディアの取材規制がかけられ、韓国取材陣はシャットアウト、中継も交渉が決裂したため行われないなど、多くの制約がかけられたなかでの一戦となる。

 そんな南北対決に向けてイギリス『BBC』は15日、「世界で最も奇妙なダービーへようこそ」というタイトルの記事で、「両チームが、北朝鮮の首都・平壌で対戦するのは珍しいこと」であると表現。「生放送はもちろん、韓国のファンと海外メディアもまったくいない試合が行われるだろう」と紹介した。

 さらに「ライブで放送されていないという事実とは別に、現在北朝鮮にいる観光客でさえ試合を見ることは許されない」とし、そうした厳しい制約を設ける理由として「最近、韓国と北朝鮮の外交における雰囲気が良くない状況で、試合が行われる」と政治情勢が足踏み状態にあることを挙げた。

 さらに「北朝鮮とアメリカの非核化会談が苦戦しており、最近ミサイル試験をして緊張が高まっている。しかし、このような南北関係がスポーツ競技に反映されるものではない」と付け加えた。

 そのうえで「南北関連のスポーツは、多くの場合、新しい外交関係を開いてくれるカギを持っていることもある」とし、「2018年の平昌冬季オリンピックで、北朝鮮が参加し、統一旗を持って一緒に入場した」ことを紹介。また、北朝鮮では「サッカーは人気のあるスポーツで非常に重要である」ことから、「自国の誇りと愛国心に焦点が当てられている。社会的な目的のためにスポーツを利用している」と記した。

 それでも『BBC』曰く「最近の外交関係を照らしてみると、今回の南北戦は緊張感の高い状態で行われるだろう」と予想している。一方で試合については「韓国がFIFAランキング(37位)で北朝鮮(113位)よりも高く、韓国の勝利が予想される」とし、「現在のH組首位を争う両者の激しい試合が繰り広げられるだろう」と展望している。

●カタールW杯アジア2次予選特集ページ
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