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人種差別に1人立ち向かったブルガリア主将「もちろん困惑している。肌の色なんて関係ない」

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ブルガリア代表の主将を務めるMFイベリン・ポポフ(中央)

 ブルガリア代表のキャプテンMFイベリン・ポポフが、サポーターの人種差別行為に言及した。英『テレグラフ』が伝えた。

 14日に行われたEURO2020予選のブルガリア対イングランド。ブルガリアサポーターは2011年に対戦した際にイングランドの黒人選手に対して人種差別的行為を行い、また今年6月のコソボ代表戦でも同様の行為を行ったことが確認されており、イングランド側は試合放棄する可能性も話し合うなど、相手サポーターの行動に警戒心を強めていた。

 しかし、14日の試合でもブルガリアサポーターの人種差別チャントが発生。試合は二度にわたって中断された。すると、ポポフは二度目の中断の後、サポーターの前に1人で立ち向かい、差別的な行動をやめるよう訴えた。試合は主審とイングランドのガレス・サウスゲート監督、主将ハリー・ケインらと話し合った結果再開され、イングランドが6-0と大勝している。

 人種差別を行ったサポーターに1人で立ち向かっていったポポフは、その理由を明かしている。

「僕が話すことは重要だった。これは全員にとって、協会にとって、そしてイングランドにとって非常に大きな問題だからだ。もしサポーターがもう一度汚い言葉を使ったら、試合は中止となっていただろう」

「僕らは大きな罰を受けるだろう。これはブルガリアにとって良くないことだ。もしここでプレーしたいと思う選手がいたとしても、汚い言葉を聞いてしまうことになる。誰にとっても悪い」

「前半で0-4だったので、サポーターが怒るのは普通のことで、『話しかけるな』というのも当たり前だろう。でも、僕が声を掛けて理解してくれたと思う。後半には良くはなった」

 そして、起きたことにショックを受けていると明かしつつ、フットボール界全体で戦わなければならないと語っている。

「もちろん困惑している。こんなこと起きてほしくなかった。僕らにとって、国にとって、協会にとって良いわけがない。どう感じているかって? うまくできなかったし、0-6で負けた。そして最悪なことが起きたから気分は悪い」

「やめなければいけないんだ。この国にも、数多くの国籍を抱えるクラブもある。ブルガリアのリーグでは聞いたことがないよ」

「僕らは11人対11人なんだ。肌の色なんて関係ない。問題はないんだ。僕らはみんな同じであり、フットボールにおいて大きな家族なんだ。連帯しているときのみ、こんなことを止めることができるんだ」

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