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エース清水「勝負の厳しさをこの試合で学ぶことができた」。札幌一は03年以来の選手権出場を後輩たちに託す:北海道

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札幌一高FW清水響生は鋭いドリブルで優勝校を苦しめた

[10.20 選手権北海道予選決勝 札幌一高 0-1 北海高 厚別]

 16年ぶりの全国にはあと一歩手が届かなかった。札幌一高は前半、北海高のプレッシャーの速さの前になかなか思うような攻撃ができなかったが、DF陣がシュートをブロックするなど相手にも得点を与えず、0-0で前半を折り返す。

 後半もゴール前で決定的なシュートをブロックするなど、勝利への執念を見せ続けた。17分に先制点を許したが、その後はGK小森玖隆(3年)を中心に粘り強く守って追加点を許さない。

 そして、この日存在感ある動きを見せたMF山田倖蔵(2年)らによるコンビネーションやエースFW清水響生(3年)のドリブル突破などから反撃。ゴール前のシーンを作り出した。後半23分に右SB鶴本海人(2年)が抜け出すなど決定機も作ったが、北海の堅い守りを最後まで破ることができず。準優勝に終わった。

 清水は「北海の守りとか強くて、前半は自分たちの攻撃が上手く行かなかったんですけれども、後半は少しずつチャンス作れて、決定機も作れて、そこを自分たちが決めきれていれば勝てたと思います」と悔しさを滲ませていた。

 今年はインターハイ予選を制し、選手権予選では16年ぶりとなる決勝進出。自主性、考える力を持つ集団は決勝でも堂々の戦いを見せた。だが、最後は紙一重の差で敗戦。清水は「あと一歩で、あと少しで勝負が決まっちゃうので、勝負の厳しさをこの試合で学ぶことができたと思います」と語った。

 札幌一は先発の3年生が清水とFW近江勇哉(3年)、左SB千葉陽登(3年)、小森の4人で7人が1、2年生。3年生は勝負の厳しさを知った下級生たちが必ず新しい歴史を切り開いてくれると信じている。

 関西1部リーグの強豪大学に進学する予定の清水は後輩たちへ向けて、「自分たちの力だけじゃ絶対にここまで来れなかったので、感謝しかないです。次はここまで来て、リベンジして、全国行って欲しいです」とエール。勝負の厳しさを学んだ札幌一の新世代は1年後、この舞台でリベンジして先輩たちの無念を晴らす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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