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ブラインドサッカー選手にも刻まれたラグビーの「ノーサイド精神」

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近藤(手前)は試合後、相手選手と握手を交わした

[10.20 ブラサカ東日本リーグ第3節 GLAUBEN FREUND TOKYO 0-1 free bird mejirodai](埼玉県本庄市)

 ブラインドサッカー日本代表候補(ナショナルトレセン)として日本代表合宿にも参加したことがあるGLAUBEN FREUND TOKYOのFP近藤正徳が東日本リーグ・free bird mejirodai戦で先発フル出場。0-1で敗れ、悔しさをかみ殺した。

「自分で(ボールを)持つこともできなかったし、普段あまり出場機会のない選手のフォローアップもできなかった」

 近藤は高校時代、山梨の強豪、桂高校でラグビーをしていた。試合前日の19日には家族、親族5人で現在開催中のラグビーワールドカップ(W杯)を東京スタジアムに見に行った。優勝候補のニュージーランド代表対アイルランド代表戦だった。アイルランド代表はプールAで日本代表が対戦した相手でもあった。

「高校時代にラグビーはやっていましたが、ずっと言われていた『ノーサイドの精神』を体感できたのは初めてでした。僕が見ていた席の近くはアイルランドの人が多かったんですが、アイルランドの人もニュージーランドの選手がいいプレーをしたらその選手のことを応援していました。試合後は、義理の母がジャパン(日本代表)のユニフォームを着ていたんですが、近くに座っていたアイルランドファンの人が『次はジャパンの応援をするからユニフォームを交換しよう』といって、交換していましたんです」

 ノーサイドの精神はブラインドサッカーに活きるのだろうか。

「自分たちのことはもちろん大事ですが、相手チームにも敬意を払う気持ちを意識してもっていないと、『相手をつぶせ、倒せ』というだけの自分になってしまう。根底には敬意を持ちながら、情熱を持ってプレーできれば、もう1段上のレベルで楽しめると思う」

 近藤は網膜色素変性症がすすみ、今は「紙コップにちょこんと穴をあけてみているような感じ」。ただ、見える範囲が限られていたとしても、雰囲気で体いっぱいに「ノーサイドの精神」を感じることができた。ブラインドサッカーにおけるフェンス際の攻防はラグビーのコンタクト場面に似ている。近藤は、ラグビー観戦で今後、さらに成長していくための心の拠り所を得ることができた。

(取材・文 林健太郎)

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