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[MOM2999]秋田商DF田近奈生(3年)_空中戦は「全国レベル」。秋田代表するCB

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秋田商高CB田近奈生がスライディングタックルで相手の抜け出しを阻止

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.24 選手権秋田県予選準決勝 秋田商高 2-1 明桜高 ソユスタ]

 昨年度全国8強の秋田商高・小林克監督は「センターラインが残っているのは強み」と認める。この日も後半途中までは、いずれも昨年度からの経験者であるCB松野真士主将(3年)とCB田近奈生(3年)、GK山口雄也(3年)の3人を中心に大きな穴を作ることなく試合を進めていた。

 特に田近は抜群の跳躍力を見せるなど、「空中戦は全国レベル」(小林監督)という強さを発揮。前半は強風の中で思うようなヘディングができなかったというが、徐々に立て直し、制空権を握っていた。また、素早いカバーリング、タックルで相手の抜け出しを阻止するなど、守備の柱としての役割を果たしていた印象だ。

 ただし、田近は「後半はしっかりボールを見ることを意識したら(ヘディングで)返せたけれど、狙っていたセットプレーで決められたのでそれは課題」。守備だけでなく、攻撃でも違いを作るつもりでいたDFは、CKでマークを外しながらも決めきれなかったシーンがあったことを悔しがっていた。

 昨年度の選手権は4試合で先発フル出場。四日市中央工高と富山一高を完封し、準優勝校の流通経済大柏高にも1点しか与えなかった。「去年、選手権で色々やらせてもらっていたのでそこは自分の中でちょっと自信になっている」と田近。身長は176cmと特別な高さはないが、競り合いではより負けなくなり、プリンスリーグ東北でもセットプレーから合わせられるシーンが増えたと実感している。

 元々自信を持っていたヘディングは秋田商進学後、自分よりも身長の高い選手と競り合いを重ねながら武器と言えるものに進化させた。さらに、全国で自信を得たCBは最上級生となった今年、チームを牽引するつもりでスタート。だが、試合で負傷するなど思うようなシーズンを送ることができていない。

 それだけに、まずは全国出場権獲得へ全力。秋田を代表するCBは決勝へ向けて「守備はゼロに抑えて、1点でも、2点でも少ないチャンスを決めて、全国決められれば良い」。この日は勝利に貢献も、「まだまだ」。選手権では自分が、チームを勝たせるような活躍をする。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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