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[MOM3003]上田西GK戸板海(2年)_PKストップも“異変”に気付いた守護神「少し悲しかった(笑)」

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上田西高GK戸板海(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.26 選手権長野県予選準決勝 市立長野高1-1(PK1-4)上田西高 サンアル]

 PKをストップした。間違いなく勝利の立役者となった。しかし、何かがおかしい。“異変”に気付いた上田西高GK戸板海(2年)は「えーって思った」と苦笑した。

 立ち上がりの前半1分に好セーブを見せるなど、同10分に失点こそしたが、戸板は安定したパフォーマンスを披露。そして、「失点したけど、絶対に決めてくれると信じていた」との言葉通り、後半7分にMF宮澤珠輝(3年)が決めて試合を振り出しに戻す。1-1のまま迎えた延長戦にも失点の危機はあったが、戸板が立ちはだかってゴールを許さずに、勝敗の行方はPK戦に委ねられることになった。

 最初の1本こそ決められたものの、戸板は冷静だった。「止める方よりも蹴る方が緊張すると思う。相手の目線や軸足を見て、読むことができた」と2本目をきっちりストップすると、3本目は相手のシュートがクロスバーを叩く。対する上田西は4人全員が決めて、PK戦を4-1で制して3年連続での決勝進出を決めた。

 アメリカ人の父と日本人の母を持つ戸板は、「小学5年生くらい」からGKを始めた。何よりも相手のシュートを止める楽しみを覚え、「自分がスーパーセーブしたときが一番嬉しい」と語る。この日は相手のPKをストップ。スーパーセーブを見せた一番嬉しい瞬間だったが、何かがおかしい。

 勝利が決まった瞬間、仲間たちは戸板の元へと駆け寄るかと思われたが、何とスタンドの応援席へ。ガッツポーズを繰り返していた戸板は「皆、来ると思っていた。でも応援席の方に行ってしまったので、えーって思ったし、少し悲しかった(笑)」と苦笑い。しかし、引き返してきた仲間たちと喜びを分かち合う。その中心には間違いなく、笑顔を見せる戸板の姿があった。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

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