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[MOM3005]国際学院GK持田瞬也(3年)_親友GKとのPK戦。2本止めて制す

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PK戦5人目、相手のシュートを止めた国際学院高GK持田瞬也が右手を突き上げる

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.26 選手権埼玉県予選3回戦 花咲徳栄高 1-1(PK3-4)国際学院高 昌平高G]

 組み合わせが決まった時から「16まで負けるな」「16でやろう」「(準々決勝以降で使用される)スタジアムは俺らが行くから」と話し合っていたという。埼玉県予選3回戦で対戦した国際学院高GK持田瞬也(3年)と花咲徳栄高GK高野悠(3年)は、黒浜西小時代の同級生で今も地元で遊ぶ仲。同じ少年団で一緒にサッカーをしていた時期もある。その親友対決を国際学院GK持田が制した。

 試合は両GKの好守もあって1-1でPK戦へ突入。仲の良さを感じさせるように、並んで勝負の場へ向かった2人が好守とPKキッカーとしての力を見せる。先攻・花咲徳栄の1人目のキッカーを務めたGK高野が難なく決めると、3人目では持田が渾身のセーブ。直後に高野が止め返すと、2人は友人の表情で好守を称え合い、抱擁していた。

 持田は国際学院の4人目としてキッカーを務めて右足で右隅にゴール。そして、花咲徳栄の5人目、右へ跳んだ持田が左手でシュートを弾くと、ボールはポストを叩いてゴールの外側へ外れた。

「最初右手を出したんですけれども、間に合わないと思って左手を出したらたまたま当たって。運も味方してくれました」と持田。直後に国際学院の勝利が決まると、持田はチームメートたちと喜んだ後、高野の下へ駆け寄り、涙するライバルの頭を撫でて言葉を交わしていた。

「(高野からの言葉は)『頑張って。見に行くから』と。負けられないです」
 
 昨年のインターハイ予選では、PK戦で全く止めることができずに14-13という試合をしたことがある持田だが、それからPKで自分の間を作ることを身に付けてきた。この日は止めそうな雰囲気を作り続けると、反応の良さを武器に2本をストップ。悔しさをバネに成長した姿を見せたGKは、親友のためにも勝ち上がることを誓う。

「ベスト8の壁を越えて次、自分がチームを救うセーブをしたいですし、無失点を掲げてしっかりとやっていきたい」と力を込めた。この日は後半にもビッグセーブを見せた持田だが、クロスから喫した1失点は止めることができたと感じている。それだけに、分析・改善して準々決勝へ。そして、無失点でチームを準決勝、その先のステージへ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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