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J内定2人を擁する帝京長岡、電光石火の前半4発で2年連続の新潟決勝へ

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ループシュートを決めて喜ぶ帝京長岡高MF田中克幸

[10.26 選手権新潟県予選準決勝 北越高 0-4 帝京長岡高 長岡ニュータウン運動公園]

 第98回全国高校サッカー選手権大会の新潟県大会は26日に長岡ニュータウン運動公園で準決勝2試合を行い、第1試合は昨年度全国8強の帝京長岡高が4-0でインターハイ8強の北越高を下して2年連続の決勝進出を決めた。豪雨に襲われた前半の4得点が、勝敗を分けた。

 テクニカルなチーム同士の技術戦が予想されたが、天候に大きく影響を受けた。試合前から土砂降りとなる中、帝京長岡は前半6分のファーストチャンスでMF谷内田哲平(3年、京都内定)が蹴った左CKをDF丸山喬大(3年)が頭で決めて、いきなり先制。11分には同じ形から谷内田が直接ゴールを狙う場面もあり、勢いに乗った。

 前半24分、中盤から抜け出しに成功したMF田中克幸(3年)がドリブルで独走から鮮やかなループシュートを決めて2点目。さらに33分、MF矢尾板岳斗(3年)が右からのカットインでミドルシュートを放つと、GKが弾いた球を田中が詰めて3点目。その後も左CKに合わせた丸山が際どいヘディングシュートを放つなど一方的に攻め立てる。そして、前半のアディショナルタイムに谷内田の右CKを矢尾板が頭で決め、リードを4点に広げて試合を折り返した。

 2得点の田中は、大学に進学予定だが、複数のJクラブが獲得に動いた逸材。「試合の入りからタッチ数少なく前を目指せた。最初は、サイドに張って前向きで得意なドリブルでリズムを作って、通用しなかったら、開いてボールタッチを増やしてリズムを作ることもある」と話す通り、サイド、中央のスペースを自在に使って攻撃をけん引した。

 また、エースFW晴山岬(3年、町田内定)は、序盤は味方のサポートに走ったが、リードを得ると裏抜けを徹底。前がかりになる相手の力を巧みに利用した。晴山は「普段からミーティングで(総監督の)谷口哲朗先生から、相手がやることを見て後出しジャンケンをしろと言われています。リードした後は、足下よりスペースの方が味方も出しやすそうだったから」とニヤリ。自身のゴールこそ生まれなかったが、再三チャンスを作り出した。

 北越にとっては、豪雨でコントロールの難しかった前半で粘りを欠いたことが悔やまれる展開となった。後半は雨が止み、帝京長岡にポゼッションで守備から引き出される苦しい展開に陥った。それでも快足DF藤吉玲依(3年)がサイドの守備で奮闘し、ボールを奪えば、ボランチの浅野俊輔(3年)、エースFW庄内碧(3年)が関わって個人技とショートコンビネーションでボールを保持しながら反撃に出た。

 しかし、少しずつペースが北越に傾いても、帝京長岡は動じなかった。晴山が際どい接触プレーで倒されてノーファウルとなった後で選手がフラストレーションを見せ始めても、DF丸山が「いつから(審判に文句を)言って良くなった! まず(次のプレーを)やれよ!」と声を飛ばし、チームを引き締めた。

 後半37分、北越はようやく左、右と振って中央へつないだボールを途中出場の大井佑馬(3年)がミドルシュートに持ち込んだが、公式記録に残ったシュートは、この1本のみ。帝京長岡は初戦からの無失点を貫き、4-0で勝利を収めた。

 決勝戦は、当初11月10日に予定されていたが、晴山がAFC U-19選手権予選のメンバーに選ばれたため、12月1日に変更された。対戦相手は、この日の第2試合を勝った日本文理高。インターハイの県予選準決勝で敗れた相手に雪辱を果たし、今度こそ初の全国4強入り、そして日本一へと突き進むつもりだ。

 帝京長岡の古沢徹監督は「これで(プリンスリーグを含めて公式戦で)893分、無失点。選手には『お前たちが本当にがむしゃらになってボールを追えば負けることはない。ただ、どこかで勘違いすれば、高校サッカーは甘くなく、勝利の女神はほほえまない』と言っています。夏を取れなかったことが、ターニングポイント。どこかに甘えがあったので、ファウル(のセルフ)ジャッジを絶対にしないとか、心美しく勝つことをテーマに掲げてきた。練習以外の成長が表現力のアップにつながった。今日勝って、またあと1か月、上手くなれる」と手応えを示した。

 元来、パスワークに定評のあるチームだが、今季は全国屈指。攻守一体のスタイルは完成度が高く、昨年の全国8強を上回る可能性を大いに秘めている。夏の雪辱を果たし、再び全国を席巻するか。決勝戦も大いに注目される。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校選手権2019

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