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技術と判断力で警戒上回る聖和のエース、MF古賀楓真「立っているだけで怖がられるような選手に」

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聖和学園高のエースMF古賀楓真

[10.27 選手権宮城県予選準決勝 聖和学園高 3-0 東北学院高 ユアスタ]

「そこに立っているだけで怖がられるような選手に」。

 聖和学園高のエースMF古賀楓真(3年)は、自分が目指す選手像について、そう口にした。「東北のドリブル軍団」で2年時からエース番号の「14」を背負う“一番上手いヤツ”。ボールを持てば独力で相手のマークを剥がし、決定的なラストパス、シュートを繰り出す古賀だが、本人によると“魅せる”ことへのこだわりは無いのだという。

「2枚以上くればパス出せばどこか空くし、点にはこだわっていますけれども、魅せるとかは……。1対1はやりますけれども、そんな2枚剥がそうとかは無いですね。他にチャンスがあればそこを活かします」

 1年時はひたすらドリブルをしていたという。そこからより、自分と仲間を活かすために変化。心に置いているのは、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督の言葉だ。

「ペップが言っていたのは『来たら出して、来なかったら運べば良い』と。2枚来れば、絶対にどこか空くし。それで時間を作って引きつける。(理想は)いるだけで怖い。マンツーは剥がしに行くし、相手見て、相手の守備次第で自分の頭で(プレーを)変えていけるような選手に」。常に急所を狙い続けて、その技術と判断でDFを動かして仕留める。相手にとってはボールを持たれても怖い、持たれていなくても怖いような存在。この日、古賀は試合を決めるような仕事をした訳ではなかったが、それでも相手にとって常に怖い存在になっていた。

 前半はチームメートたちがドリブルを繰り返す中、古賀はほとんどドリブルをしていない。相手が中央の守りを固め、トップ下の古賀との距離を詰めて来る中、背番号14は1タッチパスの連続。積極的にボールを受けるのではなく、むしろ相手のマークを引き出して中央のスペースを作り出すことに注力していた。相手からしてみればフリーにして前を向かせる訳にもいかない。決して目立っていた訳ではないが、それでも揺さぶりをかけ続けていた。

 その上で前半終了間際にはジャンピングボレーを狙い、ドリブルで1人かわしてチャンスメークする回数も増加。味方が先制すると、相手のマークが緩んだ隙を突いてゴール前のスペースに顔を出し、フィニッシュに持ち込んだ。

 ただし、この日は細かなタッチが乱れるなど、決定機を活かせずに無得点。試合を決めることはできなかった。それでも、決勝の期待感は大。加見成司監督は「もうちょっとですかね。彼はこんなもんじゃないので」と語り、本人も「自分のきょうの仕事ができなかったので次は仕事できるようにしたいです」と力を込めた。昨年度の決勝ではスーパーゴールを決めたが、PK戦で敗れて準優勝。目標の全国制覇に近づくためにもここで負ける訳にはいかない。仙台育英高との決勝ではボールを持っても、持たくても相手の守りを揺さぶり、攻略して選手権への第一関門を突破する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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