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岡山の名門へ。岡山学芸館が創志学園に逆転勝ちして4年連続の決勝進出!

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後半33分、岡山学芸館高FW岡田知也(9番)が決勝ゴール

[10.29 選手権岡山県予選準決勝 岡山学芸館高 2-1 創志学園高 津山市陸上競技場]

 岡山学芸館が連覇王手! 第98回全国高校サッカー選手権岡山県予選準決勝が29日に行われ、2連覇を狙う岡山学芸館高が2-1で創志学園高に逆転勝ち。岡山学芸館は11月3日の決勝で玉野光南高と戦う。

 岡山県の新たな名門校へ――。岡山学芸館が4年連続の決勝進出だ。ただし、怪我の影響でエースFW岡田知也(3年)と司令塔のMF谷本壮太朗(3年)がベンチスタートとなったこの日、思うようなサッカーができた訳ではなった。

 特に前半は攻め込んでもゴール前に入ってくる人数が少ない状況。10番MF山田龍之介(3年)がボランチの位置からワンツーで攻め上がってラストパスを入れたり、MF大山宣明主将(3年)のクロスにMF野町将矢(3年)が飛び込むシーンもあったが、その回数が少なく、単調な攻撃になってしまっていた。

 一方、創部2年目の1、2年生軍団である創志学園は、判断しながらの戦いでゲームの肝を離さない。田淵倫三監督が「ウチらは相手がこう来たらこうしようとか、とにかく相手を見てどうするか決めるので。見ていて危ない場面はそんなになかったと思う」と振り返ったように、相手の攻撃を見極めながら要所を封じ、奪ったボールをMF田淵史悠(2年)とMF八木有輔(1年)の両ボランチが技術力とアイディアを表現する形で“嫌らしい”配球を見せる。

 そして、パワフルなFW近藤颯(2年)が前線で時間を作るなど攻め返すと、15分には左サイドから押し込んで近藤がシュート。こぼれ球を八木が左足で狙ったが、これは岡山学芸館GK國本希来(3年)が横っ飛びで弾き出す。

 岡山学芸館は前半26分に選手を入れ替え、システムを3-6-1から4-2-3-1へスイッチ。サイド攻撃の厚みを増す。そして、インターセプトから前に出る山田を起点に大山がシュートへ持ち込むなど先制点を狙うが、シュートがGK正面を突くなど先制点を奪うことができない。

 逆に41分、創志学園はこの日対人守備の強さを発揮していた右SB中塚秀翔(2年)が頭で跳ね返すと、ボールを拾ったFW遠藤廉久(2年)がDFの背後へスルーパス。これで抜け出した近藤がGKとの1対1を制し、先制点を奪った。

 リードされて前半を折り返した岡山学芸館の高原良明監督は、「後半も丸々あったのでハーフタイムの最後に『絶対に勝てる』と言って送り出したんですけれども。でも、『自分たちがいつもやっているパス&ムーブを繰り返すとか、アクションをやるということをやらないとそれもできないぞ』と」。前半に関しては焦りもあったか、選手たちは自分たちがやるべきことを表現できていなかった。だが、指揮官からの指示、そして主将の大山から「死ぬ気で走るぞ!!」と猛烈な檄を受けたチームは後半に試合をひっくり返した。

 後半開始から谷川壮を投入し、山田をボランチからトップ下に上げた岡山学芸館は立ち上がりからボールを支配。そして9分には左サイド、ゴールまで25mの距離で得たFKから、キッカーの大山が“味方に当たっても入る、当たらなくても入るボール”を狙って右足で蹴り込む。これが鋭い弾道を描き、GKの頭上を越えてゴールへ。意図とは違うシュートだったが、早い時間帯で同点に追いつくことに成功した。

 岡山学芸館はその後も、高原監督が「自分で持ち運べるし、散らせる」と評する兄・谷本壮と「左のキックは良いものを持っている」と分析する弟・左SB谷本薫平(3年)の谷本ツインズのパス交換などポゼッションから揺さぶりをかける。

 全国16強入りした昨年から積み上げたものについて「きょうは全然だったですけれども、相手を見ながらボールを動かして空いているところから仕掛ける、というところは良くなって来ていると思います」と高原監督。創志学園が守備に重きを置いたこともあり、岡山学芸館はセカンドボールを制圧し、ボールを動かしながら攻め続けた。

 なかなか次の1点を奪うことができなかったが、29分に投入されたエース岡田が見事に役割を果たす。後半33分、GK國本のキックからボールが岡田の下に入る。対応の遅れた創志学園に対し、ドリブルで一気に前に出た背番号9は、CBのマークをわずかにずらして右足シュート。これがゴールに突き刺さり、決勝点となった。

 全国16強入りした18年度選手権後、岡山学芸館の新チームは岡山3冠と全国ベスト8を目指してスタート。岡田、山田、DF森井麻央(3年)と昨年からのレギュラーを残し、今春に岡山U-18から加入した谷本ツインズら力のある選手たちを擁するが、新人戦、インターハイ予選はいずれも準決勝で敗れ、目標を達成することができていない。それでも、選手権で全国ベスト8に進むことを目指し、夏に課題だったコミュニケーションの部分などを高めてきた。

 課題はあるものの、まずは決勝進出。高原監督は「ここにまず進むということは本当に大事だと思いますし、最後の最後まで、去年も凄く良い勝ち方ができたので、とにかく諦めずに勝利を信じて戦っていきたい」と語り、大山も「全国大会ベスト8という最大の目標に向かって、まず先を見るのではなくて決勝へ向けて行く。(選手権は)親やメンバー入れなかった人や友人に日頃の感謝を伝える場所ですし、自分たちの夢の場所でもあるので一番の準備ができれば良い」と力を込めた。この日は個人頼みの戦いになってしまった部分もあっただけに、修正して決勝に臨むこと。名門校への階段を一歩一歩上り始めている岡山学芸館は決勝も必ず勝って、初となる選手権予選連覇を果たす。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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