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前回王者相手に前半リードも…注目の1、2年生軍団・創志学園の快進撃は準決勝でストップ:岡山

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前半アディショナルタイム、創志学園高はFW近藤颯のゴールで先制したが…

[10.29 選手権岡山県予選準決勝 岡山学芸館高 2-1 創志学園高 津山市陸上競技場]

 創部2年目、注目の1、2年生軍団の快進撃は準決勝でストップした。創志学園高は準々決勝で今年の県新人戦、インターハイ予選準優勝の就実高を2-1で撃破。準決勝でも前回大会優勝の岡山学芸館高相手に前半を1-0で折り返した。

「ちゃんと判断できるサッカーをしようと言っている。やみくもにセカンドを拾おうとか、そんなことよりもしっかりとボールを回そうとか、相手を突こうと」と田淵倫三監督。ボールを奪うと、MF田淵史悠(2年)とMF八木有輔(1年)のダブルボランチが視野の広さとパスセンスを発揮してタイミング良くサイドを変えたり、相手DFを裏返そうとしていた。

 注目CB長崎拓也(2年)やMF清水凛太郎(1年)、MF樋口楓人(1年)という期待のタレントを欠いていた創志学園だが、それでも各選手が質の高いプレーを見せていた。前半アディショナルタイムにはカウンターからFW遠藤廉久主将(2年)のスルーパスで抜け出した俊足FW近藤颯(2年)が先制ゴール。だが、後半はギアを上げてきた岡山学芸館の前に自分たちでパスコースを作ることができなかった。それでも守備に重きを置きながら相手の攻勢を凌ぎ、カウンター攻撃を狙い続けていたが、残り7分に2失点目。悔しい逆転負けとなった。

 準々決勝から中2日、けが人もいる中での挑戦。前・岡山U-18監督の田淵監督は「もう少し面白いことができるかなと思ったんですけれども」と苦笑いする。特に前半は前回王者相手に堂々の戦い。来年ではなく今年、1、2年生だけでタイトルを獲ることを本気で目指してきたという実力を十分に印象づけた。

 2010年に女子校だったベル学園高から創志学園高に校名変更され、同時に男女共学となった。硬式野球部が直後の創部からわずか10か月で11年の選抜高校野球大会(春の甲子園)に出場したことが話題となったが、サッカー部も18年4月に創部。学校から充実したサポートを受けるチームは、地元の有力選手に、部員の3分の1にも及ぶという県外出身選手を加えて一気に階段を上ってきている。掲げている“岡山県で唯一無二のプレースタイル”で頂点へ。3学年揃う来年、その前に年明けの県新人戦から岡山サッカーの歴史を変えるか、新鋭の今後に注目だ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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