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安定した守備が光った山形中央、米沢中央にPK戦勝利で3年ぶりの全国へ:山形

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山形「中央」の「C」ポーズをつくる、優勝した山形中央イレブン

[11.2 選手権予選決勝 山形中央0-0(PK5-4)米沢中央 NDスタ]

 第98回全国高校サッカー選手権山形県予選決勝が2日、NDソフトスタジアム山形で行われ、山形中央高米沢中央高が対戦。試合は双方、決定機を決めきれずスコアレスで延長戦でも決着がつかなかったが、5-4でPK戦を制した山形中央が3年ぶり12回目の全国大会出場を決めた。

 立ち上がりペースを握ったのは米沢中央。「準決勝で4-4-2で戦っている映像を撮られていると思ったので」と語る鳥羽俊正監督は、3-4-3の布陣に変更してこの試合に臨んだ。

「山形中央は4バックで横もコンパクトになりますので、ウィングバックのところが空きます」と徹底的にサイドを突いてDF尾関龍世(3年)とMF本間海音(3年)の両ウィングバックがクロスボールから決定機を作った。DFラインや中盤からの斜めのロングパスをウィングバックに入れるのもうまくハマり、「効果的な揺さぶりができました」と鳥羽監督が語る通り、米沢中央が押し込む展開となる。

 しかし、山形中央は焦らなかった。「(米沢中央が)想定していたシステムと違って苦しかった」と語る羽角哲弘監督だったが、センターバックの一人DF竹田憂斗(3年)は「試合前に羽角先生から、ひょっとしたらシステムを変えてくるかもしれないと言われていました」と語り、相手の布陣変更にも冷静さを失わなかった。

 竹田ともう一人のセンターバックDF庄司宙ノ介(2年)は相手のクロスボールをよくはね返し、競り合いにも負けなかった。庄司は「個人的に空中戦は得意ではないのですが、一つ一つはね返すことによって、流れが変わってくると思い、絶対勝とうと思って競りました」と競り合いに勝てた要因を語った。後半から山形中央は、4-3-3から4-4-2に布陣変更し、相手へのプレッシャーのかけ方を変えたこともあり、落ち着きを取り戻した。

 攻めながらも中央を固められてゴールを奪えない米沢中央と、DFラインの強固な守備からカウンターを狙うも、なかなか決定的な場面をつくれない山形中央という構図は前後半80分を終え、延長戦20分でも続き、最後までゴールネットが揺れないまま、0-0で延長戦を終えてPK戦に突入した。

 PK戦は4人目まで両チーム全員成功したが、「1年生だったが信頼していて、彼が外したら仕方ないと思っていました」と、鳥羽監督も信頼を寄せていた米沢中央5人目MF佐藤碧翔(1年)がクロスバー上へと外してしまう。山形中央は5人目のDF小川颯之介(3年)がきっちり決めて、5-4でPK戦に勝利。悲願の3年ぶりの優勝を達成した。

 山形中央は準決勝・羽黒高戦に続いてのスコアレスでのPK戦勝利。守備陣の粘りが光った。「攻撃力で米沢中央を上回れず、守備に追われてしまいましたが、集中力を切らさずに守り切れた羽黒戦で頑張りきったのが自信となったようです」と羽角監督が語る通り、ここ2年全国大会へ出場していた羽黒に勝てたことを自信としていた。

「竹田の方が中心にまとめてくれて、庄司も試合を重ねる度に安定感が増して、まだ2年生なので今後良いDFになると思います」と2センターバックの頑張りを称えた。

 今年は山形県リーグ1部を戦ったが、昨年まではプリンスリーグ東北で戦っていた。「プリンスリーグはずっと守らなければいけない試合ばかりでした。守備は昨年からの継続があったのかもしれません」。DFリーダーの竹田は1年生からプリンスリーグ東北に出場し、厳しい試合を経験してきた。

「1年生から出させていただいているので、みんなより経験は多いですね」と竹田もそうした経験が生きたことを語る。「全国大会では守りに入って勝つのではなく、ボールを失わず、守備の時間を極力少なくして攻撃中心のチームになれるよう頑張りたい」という羽角監督だが、こうした安定した守備という良さを損なわずに、どこまで攻撃の形を作れるかが、全国大会で勝利できるかの鍵となるだろう。

 一方の米沢中央は6年ぶり2回目の全国大会出場とはならなかった。攻撃が機能し、ゲームを支配していただけに鳥羽監督は「前半から圧倒的に主導権を握って、両アウトサイドにボールが入ってチャンスはつくれていましたが、フィニッシュでもっと大胆にいけませんでした。ベスト4へは行けるものの決勝に行けない年が続いたので一山越えたとは思いますが、結果にこだわった時、クロスの質など、もう少しきっちり細かい部分を落とし込まないといけないと思いました」と質の部分であと一歩足りなかったことを悔やんだ。

 鳥羽監督は昨年の福井国体で山形県選抜を率い、山形中央の選手もよく知っていた。「どちらのチームも自分のチームの選手のようでした。山形中央にも頑張って欲しいです」と対戦相手にもエールを贈りつつ「1~2年生はこの決勝の雰囲気を知らない子達ばかりだったので、良い影響が出ると思います。次に全国へ行くのは自分たちでありたいですね」と、来年こそ全国の舞台へ立とうと意気込んでいた。

(取材・文 小林健志)
●【特設】高校選手権2019

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