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[MOM3017]富山一MF高木俊希(3年)_ 攻めて2発!守備も牽引!「戦えて、上手い選手に」

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後半6分、富山一高MF高木俊希がヘディングシュートを決めて2-0

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.2 選手権富山県予選決勝 富山一高 5-0 水橋高 高岡スポーツコア]

 新たなポジションで経験重ねた10番が充実の2発――。富山一高は夏前からアンカーを務めるMF高木俊希(3年)が得点力を発揮した。

 1-0の後半6分、セットプレーの流れから、DFのマークを外して左クロスに反応。「上手く外すところも自分の武器。去年からヘディングで点を決められているので、今日もそこで出せたので良かったです」というヘディング弾をゴール左隅に沈めると、水橋高が反撃の色を強めていた後半20分に再びゴールを決めた。

 ループパスでPAへ抜け出したFW吉倉昇空(2年)へ向けて、「『決めるから、俺に預けろ』と言いました」。そして、吉倉の落としを左足ダイレクトでシュート。見事な一撃をゴール右隅に叩き込んだ。左右どちらの足でも関係なくゴールを決められるところは強み。それを発揮して決めた10番は会心の表情を見せていた。

 この日は左クロスで先制点も演出。タイミングの良い攻撃参加でゴールを演出したほか、正確な1タッチパスなどで攻撃をコントロールしていた。高木は「(攻撃的なポジションから)アンカーになってから、結構時間が経っているので、いつ自分が飛び出したら良いのか1試合を通して把握できるようになりました」。主力MF福岡輝(2年)の怪我によって始めたアンカーだが、かなり自分のものにしてきている。

 守備面での貢献度も高い。「自分が闘争心を見せることで他の選手も(闘争心に)火が点くと思うので、自分が積極的にプレーすることを毎試合意識しています」という高木は奪い返しやセカンドボールの攻防でも存在感。入れ替わられてカウンターを受けるシーンがあったことも確かだが、アプローチ速く相手ボールに絡み、スライディングタックルを連発する姿がチームの士気と集中力を高めている。

 加納靖典コーチは「決定的な仕事をしてくれるのは頼もしく見える」と語る一方、高木のカバーリング意識が向上している点も認める。チームの攻守のバランスを高め、試合を決めるような仕事も増加。大会優秀選手に選出されたインターハイの時よりも、ピッチで存在感を放っている印象だ。

 それでも本人は、「まだ試合運びを上手くできていない」。自分のところで攻撃を落ち着かせるのか、サイドチェンジ、背後へのパスを狙った方が良いのか。その判断の精度も高めること。「戦えて、上手い選手になりたい。全てがパーフェクトな選手に」と語る富山一の10番が、選手権予選で気付いた課題を改善して、より成長を遂げて全国大会を迎える。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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