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負傷乗り越え、たどり着いたU-17W杯…「昂揚感は特別」角昂志郎が雪辱のセネガル戦へ

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負傷を乗り越え、DF角昂志郎が雪辱のセネガル戦へ

 DF角昂志郎(FC東京U-18)は、東京武蔵野シティFCに在籍していた中学時代からこの代表に名を連ねてきた選手であり、アジア予選を通じてチームのキーマンだった。ただ、昨年末に交通事故に遭ったことを機に様々な負傷に苦しめられ、一時はU-17W杯出場も危ぶまれていた。

 8月の候補合宿でようやく復帰を果たしたが、このときはまだ「ドクターともW杯を目標にしてという話をしていて、サッカーをやりながら戻していく途中」(角)という段階。練習試合の出場時間も限定する形で、調整に努めていた。ただ、闘志は満々だった。

「(U-17W杯は)自分が勝ち取った権利。もちろん、自分だけの力で予選を突破したとは思っていないですけど、でも簡単に譲りたくはない」

 そもそもは昨年12月に交通事故に遭ってしまったことが切っ掛けである。U-17W杯出場が危うくなるような重傷ではなかったのだが、「痛めた箇所をかばっているうちにいろいろなところが痛くなっちゃって、最終的にはグロインペイン症候群になってしまった」(角)。それ以降、代表メンバーが発表されるたびに焦りを感じていたというが、滑り込みで復活する形で今回の代表に名を連ねることとなった。

 ここまで2試合はベンチからのスタートとなったが、アメリカとの第2戦ではついに途中交代でピッチにも立った。

「他の大会とは違って観客の声も凄くて、『これが世界大会なんだ』と思えて、出た時の昂揚感は特別だった」

 もちろん、出ただけで満足するつもりはない。第3戦はここまで先発から外れていた選手たちも多数スタートリストに名を連ねる見込みで、「みんな悔しい思いを押し殺して頑張ってきた」ことをエネルギーに変えて爆発させる考えだ。

 セネガルとは1年前のJFAインターナショナルドリームカップで対戦し、「自分は何もできなかった」というショッキングな敗北を味わわされた借りもある。当時からの成長を示すには絶好の機会ともなりそうだ。

「FC東京でやっているプレーを出せばいいと思っているし、自信を持ってやりたい」

 予選突破の立役者の一人が、世界大会のピッチの上で、培ってきたものを爆発させる。

(取材・文 川端暁彦)
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