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[MOM3020]徳島市立MF川人太陽(3年)_成長が未来を明るく照らす

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先制点を決めたMF川人太陽

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.2 高校選手権徳島県予選準決勝 徳島市立2-0徳島商 入田M]

 効果的な先制点だった。前半35分、右サイドを突破したMF平佑斗(3年)のマイナスクロスにMF川人太陽(3年)が右足ダイレクトで合わせる。直前に同じような場面があり、わずかに合わなかったことを修正してのゴールだった。

「ずっとシュートを打たれてて流れが悪かった。だからボールが入ったら仕掛けて行こうと思っていました」

 この得点でリズムを取り戻した徳島市立高は、その後相手にチャンスを作らせることなく試合を終わらせた。

 普段より一列前でのプレーを任されていた。本来はボランチ、CBもこなすことが出来る「守備的な人間」。ただこの日はよりゴールに近い位置でのプレーを任されていたことで得点への色気を出していた。「(得点の場面のように)トップがつぶれて2列目が空いていたところに積極的に入っていけてよかったです」。

 リベンジの舞台に進みたい気持ちを強く持つ。昨年の高校選手権では、2回戦で準優勝した流通経済大柏高と対戦。後半16分に先制しながら、その後試合をひっくり返されて逆転負けを喫した。先発していた川人の脳裏にも「むちゃくちゃ悔しかった」と深く刻まれている。だからこそ「もう一回全国に行って、流経みたいな相手とやって、今年こそ勝ち切りたい」と意気込む。

 川人は180cmを超える長身で、中盤でひと際存在感を放つが、自己主張は苦手。ただ自身も課題として自覚しており、最近はリーダーシップを身につけることをテーマにしている。

「(阿部)夏己がキャプテンなんですけど、いろいろと背負い過ぎている。それを助ける人間があまりいないので、自分がなれたらいいなと思っています。夏己を少しでも助けられる存在になりたいです」

 河野博幸監督はチームの課題として、気持ちで戦える選手がいないことを挙げる。しかし川人が課題を克服すればその問題も解決していくはず。太陽が放つ光が未来を明るく照らす。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2019

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