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[MOM3023]各務原DF上河原瑛斗(3年)_昨年は大会直前にレギュラー落ち…悔しさを晴らす同点アシスト

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主将のDF上河原瑛斗(3年)が同点アシスト

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.2 選手権予選準決勝 各務原4-3(延長)中京学院大中京 長良川メドウ]

『ザ・高校サッカー』との表現が良く合う気持ちのこもった4ゴールで3点のビハインドをひっくり返して逆転勝ち。最後まで諦めない各務原高を声と気持ちのこもったプレーで牽引したのが、主将のDF上河原瑛斗(3年)だ。

 前半は立て続けに3失点したが、流れの中での守備は決して悪くなかった。174cmの身長はセンターバックとして小柄ながらも、全体練習後の自主練で磨いたヘディングの強さは十分で、警戒人物として挙げていた181cmのFW近藤慶一(3年)とも互角に張り合えていた。

 しかし、近藤を意識しすぎたばかりに、他の部分に対する意識が疎かになっていたのも事実だ。「セカンドボールを拾われたり、ボールに集中しすぎた」結果から、オウンゴールとFW和泉龍之介(2年)に2点を許し、前半だけで3失点。上河原は「センターバックでキャプテンなのに、いきなり3失点して悔しかった」と振り返る。

「『後半も頑張ろう』という声は出ていたけど、前半が終わった直後は『やばいな』と思っていた」との言葉からも分かる通り、守備が崩壊したショックは大きかった。

 ただ、2月の新人戦でも準決勝で中京学院大中京と対戦し、先制点を許しながらも、4点を奪って逆転勝ちしていたため、諦めるにはまだ早い。「ハーフタイムに全員で話して逆転しようという覚悟が決まった」。各務原の選手は後半に入ると攻撃のギアを上げ、2点を返した。

 すると、試合終了間際の後半アディショナルタイム5分、上河原に3失点の汚名を返上するチャンスが訪れた。

 自陣でFKの機会を得ると、フィールドの選手全員がゴール前に入り、パワープレーの準備を進めた。キッカーを務めたのはGK堀場友輔(3年)。高く宙を舞ったボールが相手ゴール前に入ると、「一つ前のプレーで相手GKの前までボールが飛んでいたので、また同じ所に飛ぶと信じて突っ込んでいった」上河原の頭に当たった。そのままゴール前に落ちた所をMF伊藤竜也(3年)が押し込み、同点に追いついた。

「全員の気持ちがこもったゴール」(上河原)によって延長戦に持ち込んだものの、上河原はこのプレーでGKと接触し、動けなくなったためMF河田大輝(2年)と交代することになった。しかし、上河原の勝利にかける執念から生まれた同点弾によって勢いが更に加速したチームは、延長前半4分にMF奥田陽祐(3年)が4点目を奪って勝利した。

 昨年はインターハイ予選後にレギュラーの座を掴んだが、選手権予選はメンタルの甘さを梅野剛監督に指摘され、ベンチが定位置となった。準決勝で負けた際も「自分は外から見ているだけで、泣いている3年生に何もできないのが悔しかった」。

 今年に入り、梅野監督が上河原にキャプテンの大役を任せたのは、精神的な成長を即すため。「責任感が人一倍持てた」という上河原は、「上手い人はたくさんいる。そうじゃない自分は声でチームに貢献しようと意識した」という。従来持っていた能力の高さに心が追いついた今年のプレーは、梅野監督が認める程だ。

 涙を流す先輩たちを眺めるしか出来なかった昨年とは違い、今年は心身ともに先頭に立ってチームを引っ張る存在だ。4年ぶりの選手権をかけて挑む決勝でも「インターハイの悔しさを晴らすためにもチーム全員で最後まで諦めずに勝ちたい」と意気込む上河原の活躍は不可欠だ。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校選手権2019

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