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再び全国で躍動を!守備やポジショニング…勝つための力磨いてきた国見が9年ぶりに長崎決勝進出!!

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後半22分、国見高FW寺島武が決勝ヘッド

[11.3 選手権長崎県予選準決勝 創成館高 0-1 国見高 トラスタ]

 国見が9年ぶりに長崎決勝へ――。第98回全国高校サッカー選手権長崎県予選準決勝が3日に行われ、選手権優勝6回の伝統校・国見高がプリンスリーグ九州勢の創成館高に1-0で勝利。国見は11月10日の決勝で長崎総合科学大附高と戦う。

 高校サッカーで数々の歴史を作ってきた国見が、苦しい時代を乗り越えて選手権予選決勝まで戻ってきた。今年は前評判が高く、県1部リーグでは首位を独走しているが、トーナメント戦ではここまで無冠。長崎を勝ち抜き、全国大会で勝つチームになるために磨いてきたのが守備やポジショニングだ。その国見がインターハイ予選で敗れた創成館にリベンジして、最後に選手権出場した10年度以来9年ぶりの決勝進出を果たした。

 特に前半、国見の奪い返しやセカンドボールに対する一歩の速さが印象的だった。国見OBで18年から指揮を執る木藤健太監督(元山形)は、「高校総体で負けて、根本的な1対1の戦いや、ポジション取りとかが通用できていない。勝っているチームはそういうところができている。まずはそういう個人戦術のところに時間を割いた」と説明する。

 近年の国見は個々の高い技術力をベースに、判断しながら攻めるというチーム。だが、ゲーム主将のDF安田正宗(3年)も「今の代とか上手いだけで終わっていた。上手いだけでなくて、しっかりと勝ち切るチームを今年は徹底して作ってきた」と語ったように、磨いてきた力によって前半は国見が主導権を握った。

 創成館は187cmの大型FW平川尚樹(3年)をターゲットに、シンプルな攻撃からスタート。だが、国見はMF中田佳希(3年)とMF岩下尚人(3年)のダブルボランチがポジショニング良くセカンドボールを回収し、そこから正確なパスを配球していた。

 丁寧にサイドへ繋ぎ、MF日下部優哉(2年)や安田の縦突破からチャンスを作っていた一方、10番MF山川史(3年)は積極的に前を向いてシュートを連発。だが、創成館は相手のクロスをしっかりとクリアしていたほか、GK橋口欧介(3年)が安定感の高い守備をみせるなど得点を許さない。

 序盤、ロングボールやセットプレーを軸に攻めていた創成館は、前半半ば頃から攻撃を落ち着かせる時間帯を増加。チームの中軸に成長したMF岩崎雄永(2年)やDF櫻田颯人(3年)がゲームメークし、10番FW石橋弓斗(3年)の機動力などを交えて打開を試みる。

 0-0の後半7分には創成館がゴール前に押し込んで連続シュート。国見DFにブロックされながらも、最後に放ったシュートが右隅を捉える。だが、国見はGK松本大平(3年)が横っ飛びでビッグセーブ。また、平川へのロングボールをDF西村颯馬(3年)が競り勝つなど、前に出てきた相手に飲み込まれずに試合を進める。

 国見は後半11分、187cmの注目2年生ストライカー、FW中島大嘉(2年)を投入。高さを加えると、19分にはDFを背負いながら浮き球パスをコントロールした中島が右足を振り抜く。シュートは左上隅を突いたが、今度は創成館GK橋口が横っ飛びでビッグセーブ。両守護神の好守もあってスコアはなかなか動かなかった。

 それでも、後半22分に国見が均衡を崩す。左中間でボールを持った岩下が左ハイサイドへボールをはたくと、走り込んだ日下部がダイレクトで左足クロス。これを「自分はニアに突っ込むだけだと思っていた」というFW寺島武(3年)が頭でゴールネットに突き刺した。

 終盤は1点を追う創成館が圧力のある攻撃。31分には左WB一ノ瀬唯斗(3年)がGKとDFの間にクロスを入れ、これにFW大西克宗(3年)が身体を投げ出して飛び込む。その後もロングスローやFKからゴール前のシーンを作るが、国見はGK松本や3バックを中心に守り抜いて1-0で勝利。スタンドからの大応援に白星で応えた。

 国見は今大会3試合を全て無失点で決勝進出。木藤監督は「もう1ランク上げないといけないと思いますし、強さ、速さ、巧さ全てだと思うんですけれども、まだまだ」と厳しいが、伝統校は1試合1試合経験を重ねながら成長してきている。

 国見の名を再び全国へ――。全国的にも有名な「国見」の名を背負って戦うことに選手たちはプレッシャーとプライドの両方を感じている。松本は「プレッシャーがあることを分かった上で国見に来ました。絶対に勝たないといけないですね」と語り、安田は「国見高校だけでなくて、国見町を背負っているので、その分プレッシャーはあるんですけれども、みんな応援してくれるので、それを力にやりたい。(決勝では)引くんじゃなくて、前に前に強気のサッカーをして、しっかりと優勝して9年ぶりの選手権に出て選手権でも全国優勝したい」と力を込めた。

 決勝の対戦相手はかつて国見を幾度も日本一に導いた小嶺忠敏監督率いる現王者・長崎総科大附。青と黄色が映えるスタンドの大応援を背に戦う国見が、大きな壁を乗り越え、全国で再び躍動する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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