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[MOM3027]国見FW寺島武(3年)_夏は不在。怪我に泣いてきた悔しさ晴らす決勝ヘッド!

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後半22分、国見高FW寺島武が決勝ヘッドを決めた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権長崎県予選準決勝 創成館高 0-1 国見高 トラスタ]

 怪我で苦しんできたFWが、国見高を9年ぶりとなる決勝へ導いた。FW寺島武(3年)は序盤から運動量多く、相手のフィードやパスの出し手に対してプレッシャー。攻守に渡って献身的に走り続けた寺島がチームに歓喜をもたらした。

 後半22分、MF日下部優哉(2年)の左クロスをニアで合わせて決勝ヘッド。飛び出して来るGKも視野に入っていたはずだが、日本代表FW岡崎慎司に憧れる寺島は怖れることなく飛び込んだ。

「自分は高さがあるプレーヤーではないので、ニアで最初に触って決め切るというのが自分の形だと思っている。しっかりとそれを表現できたと思います。岡崎選手のようにアグレッシブに守備も貢献して、どんなボールでも突っ込んで行くようなFWになりたいです」。覚悟を持って戦うFWはブレなかった。

 寺島は高校入学後、膝や股関節など怪我の連続。今年は県新人戦後に離脱し、インターハイ予選も出場していない。その中でチームは創成館高に敗れて8強止まり。「自分は高校サッカー半分くらい怪我を繰り返していた。高校総体の時も創成館との試合は応援側に回っていたので、そこで負けた悔しさを絶対に晴らしてやろうと思いました」。選手権に懸ける思いは人一倍。その思いの強さ、プレーを木藤健太監督も認めていた。

「彼の決定力。守備の貢献度も高かった。ずっと怪我だったけれど調子が上がってきている」とマン・オブ・ザ・マッチに指名。この日のプレーについては、寺島自身も「自分は上手いプレーヤーではないし、下手くそというのは自覚しているので、チームのために走るというところから入って、あとは点を取って勝ちきれるように。チームを鼓舞するというのが役目だと思うので、しっかりと果たせたと思います」と胸を張っていた。

 国見を再び全国で躍動させるという思いがある。まずはその舞台まであと1勝。「決勝行くのも国見として久しぶりなのでみんなプレッシャーがあると思うんですけれども、自分が決めて勝たせられるように頑張っていきたいと思っています」。決勝でもチームのために走って、身体を張って、ゴールを決める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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