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“最悪”から半歩ずつ成長。長崎総科大附が3-0で長崎4連覇王手!

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後半6分、長崎総合科学大附高は1年生CB児玉勇翔が右足で先制ゴール

[11.3 選手権長崎県予選準決勝 長崎日大高 0-3 長崎総合科学大附高 トラスタ]

 長崎総科大附が国見との決勝へ! 第98回全国高校サッカー選手権長崎県予選準決勝が3日に行われ、4連覇を狙う長崎総合科学大附高がインターハイ予選優勝校の長崎日大高に3-0で勝利。長崎総科大附は10日の決勝で国見高と戦う。

 名将・小嶺忠敏監督は今年の長崎総科大附について「中学時代、長崎県の選抜クラスはゼロ。その選手たちがまあ、ここ(決勝)まで良く来ている。(甘さのある選手が多く指導者を)50年やって“最悪の年”。(色々な選手を競争させながら)組み合わせて、組み合わせて、どのくらいまで戦えるかなとやって来て、やっとここまで来た」と説明する。

 長崎を代表する存在が、今年の県新人戦、インターハイ予選はいずれも準々決勝で敗退。それまでは、ゲーム主将のFW千葉翼(3年)が「小嶺先生に言われても、言い訳とかしていてみんなやろうとしていなかった」というように、過信や甘さもある集団だった。

 だが、悔しい敗戦の連続が心に火を灯すきっかけに。期待値の大きな1、2年生の突き上げや小嶺監督が人間的に評価する控え3年生の存在などもあって「最初は全然声が出ていなくて、まとまりがなかったんですけれども、チームの雰囲気も変わったし、走るようになった」(千葉)。「誰でもチャンスがある」(MF鶴田快聖、3年)という激しい競争を経て、チームは本当に半歩ずつ成長して決勝まで勝ち上がってきた。

 準決勝の前半は互いにリスクを負わず、ロングボールでポイントを作ってから攻撃。開始直後に長崎日大FW石本武蔵(3年)が抜け出しかけ、長崎総科大附もセットプレーから右SB朴倍漌(3年)がフィニッシュに持ち込む。

 長崎総科大附はMF鶴田快聖(3年)が相手エースのFW山崎光主将(3年)をマンマーク。山崎がベンチからの指示を聞きに行く際まで離れずにマークするなど、徹底した守りを見せる。また、長崎総科大附は前半12分に投入されたMF林流夏(3年)が前線でボールを収め、質の高い動きを見せていたMF中島勇気(3年)のラストパスなどでチャンスを作り出す。

 長崎日大は34分、MF加藤葵梨(2年)が山崎とのワンツーでPAへ切れ込んだほか、山崎がマンマークを外してシュートするなど対抗。相手のロングボールをCB川上彪豪(3年)とCB中村晃(3年)が跳ね返すなど、要所を締めて狙い通りの後半勝負に持ち込んだ。

 長崎総科大附は小嶺監督が「あれは可能性持っているんですよ」と評価するFW岩永空潤(2年)を後半開始から投入。前線のキープ力を増した長崎総科大附がセットプレーから先制点を奪う。後半6分、敵陣中央のFKからCB横澤瑠唯(3年)が右の中島に預けると、中島がDFラインとGKの間にクロス。わずかにコースが変わって流れたボールをCB児玉勇翔(1年)が右足でゴールに押し込んだ。

 1年生DFの殊勲のゴールでリードを奪った長崎総科大附は、11分にも朴の右クロスから千葉がクロスバー直撃のヘディングシュート。対する長崎日大は13分に3枚替えを敢行して反撃の色を強める。横へボールを動かしながら空いたスペースへ縦パスを入れ、ゴール前のシーンも作り出した。

 だが、長崎総科大附は相手の侵入をCB横澤がスライディングタックルで阻止するなど得点を許さない。逆に32分、右サイドでボールを持った岩永がカットインからDFとGKの間へラストパス。これを千葉が右足ダイレクトでゴール左隅へ流し込んだ。

 2点ビハインドとなった長崎日大はCB中村を前線に上げると、37分には交代出場のMF吉本馨(3年)が左サイドから左足ループシュート。ボールはGKの頭上を越えたが、右ポストを叩いてしまう。逆にカウンターを狙っていた長崎総科大附はアディショナルタイム、中島がインターセプトからスルーパス。これで抜け出した千葉がGKとの1対1を制して勝利を決定づけた。

 小嶺監督は準決勝を突破した選手たちについて「偉いと思う。褒めてやらないといけない」と微笑。まだまだ、簡単に一喜一憂してしまう選手が多いようだが、経験豊富な指揮官はこれからどのような言葉がけをしていくか。「どこでしっかり可能性を感じさせてやるか。それがこれからの一週間大事やね」。かつて指導した国見と全国出場を懸けた決勝で戦うのは初。注目されるであろう決勝へ選手たちと向かっていく。

 特に3年生は勝利に飢えている。鶴田は「新人戦、高総体と負けてきたので、3度目の正直というのを心に決めてやっていきたい」と語り、千葉は「去年も一昨年も全国行っているので、今年も全国に行って去年、一昨年の結果を越えられるようなチームになっていきたいです」と誓った。自分たちが先輩たちのような力を持っていないことに気づき、猛練習の中で意識面から変化。集大成となる一戦で、取り組んで身に付けてきた力が「ホンモノ」であることを示す。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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