beacon

長崎日大は夏冬連覇ならず。宿敵相手にも“普通に”自分たちのサッカーを貫けるチームへ

このエントリーをはてなブックマークに追加

長崎日大高は夏冬連覇ならず。選手権出場の夢を後輩たちに託す

[11.3 選手権長崎県予選準決勝 長崎日大高 0-3 長崎総合科学大附高 トラスタ]
 
 夏冬連覇を目指した長崎日大高は宿敵・長崎総合科学大附高との準決勝で姿を消した。前半は注目GK前田祥(3年)を中心に0-0ターン。守備に重きを置きながら、相手とのバチバチのバトルで対抗した。そして、FW石本武蔵(3年)の右足シュートやFW山崎光主将(3年)とMF加藤葵梨(2年)のパス交換での崩しなどチャンスも作って、狙い通りの後半勝負に持ち込んだ。

 だが、後半6分に警戒していたセットプレーからの失点でリードを許してしまう。失点から7分後の後半13分にMF吉本馨(3年)、MF石本海耀(2年)、180cmFW橋本亮介(3年)の3人を同時投入。テクニカルなボランチ石本海や左のアタッカー、吉本が相手の守りをズラしながら前進しようとしていた。

 そして、吉本の左足FKや同じく交代出場のMF山脇忠大(3年)が右サイドを抜け出しかけるなど相手ゴールに迫る。だが、後半32分に一瞬戻りが遅くなった隙を突かれて失点。その後、パワープレーに出ると、37分には石本海、橋本と繋いで吉本がポスト直撃の左足ループシュートを放つ。1点を奪えば、流れが変わったかもしれないが、最後まで1点が遠かった。

 亀田陽司監督は「もうちょっと普通に戦えないと」と苦言。「後半、もっと剥がして、チェンジして、ズラして、ズラしてとやらないと。もうちょっと見て、外してをやれないといけない」と語った。

 長崎県内ではロングボール主体のチームが多いとされる中、長崎日大はアクションフットボールを掲げ、相手を見て、判断しながら攻めるサッカーを重視。2年連続でインターハイ出場を果たしているが、夏からもう1ランク、2ランク貪欲にレベルアップしなければ11年度以来となる選手権切符を勝ち取ることはできない。この日は前半に粘り強く戦い、自分たちの土俵以外の部分で奮闘して接戦に持ち込んだが、どんな試合でも自分たちのサッカーを“普通に”表現できるチームになることを目指す。

 この日は1年生ながらボランチに起用されているMF山本和彗が堂々のプレー。加藤や石本海ら経験した下級生を中心にライバルを上回るレベルまで自分たちのサッカーを引き上げて来年以降、必ず選手権予選で長崎を突破する。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

TOP