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日章学園が宮崎3連覇!交代出場組の奮闘などでアクシデント乗り越え、ゴール前の攻守で差

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優勝を喜ぶ日章学園高イレブン

[11.4 選手権宮崎県予選決勝 日章学園高 3-0 宮崎日大高 宮崎県総合]
 
 苦戦も強さを示した日章学園が全国へ! 4日、第98回全国高校サッカー選手権宮崎県予選決勝が行われ、3連覇を狙う日章学園高と初優勝を懸けた宮崎日大高が激突。日章学園がFW鈴木陽介(3年)の2得点1アシストの活躍などによって3-0で快勝し、3年連続15回目となる全国大会出場を決めた。

「厳しい試合だったのは事実ですね」と日章学園の早稲田一男監督は振り返る。アクシデントが起き、流れを宮崎日大に渡していた時間帯もあった。だが、同時に語っていたのは、「やることをしっかりとやれれば負ける要素はないでしょう」ということ。苦しい時間帯でも最後まで諦めずに足を伸ばして突破、シュートをブロックすることや、最後まで走り続けることを表現し続けた日章学園が選手権切符を獲得した。

 試合は序盤から打ち合う展開となった。1分に宮崎日大の注目FW川野寛登(3年)がカットインから右足シュートを打ち切ると、7分にも左ハイサイドの川野のマイナスパスからMF矢野翔大(3年)が強烈な右足ミドルを枠に飛ばす。

 今年、2面の人工芝グラウンドが完成し、技術力を高めてきた宮崎日大は、スピーディーなパスワークを特長とする日章学園相手にポゼッションで対抗。左サイドで絶妙なキックやボールキープを見せる川野や運ぶドリブルやパスで攻撃をコントロールしていた矢野を中心に入り良く試合を進めた。

 だが、日章学園は冷静なプレー光る1年生MF葭岡遥来とキーマンのMF中別府柊太(3年)を中心に各ポジションの選手がボールにかかわりながら前進。15分にはFW木脇蓮苑(1年)とスイッチする形で前を向いた鈴木が左足シュートを打ち込み、直後には左CKのこぼれ球を葭岡が右足ダイレクトで叩く。

 そして17分、日章学園がセットプレーから先制点を奪う。敵陣中央、左サイドから左SB阿部稜汰主将(3年)が左足でFKを入れると、ファーサイドのCB古賀照也(2年)がエンドラインギリギリから頭で折り返す。最後は中央の鈴木が頭でゴールに押し込んだ。

 一方、ポゼッションからFW田中和騎(3年)や左SB安田泰晟(3年)、MF福留龍磨(3年)が相手の背後を狙う宮崎日大は、25分に矢野のスルーパスで福留が抜け出すも、飛び出した日章学園GK福山智仁(3年)が阻止。30分に腰の負傷を再発させた阿部が交代した日章学園に対し、宮崎日大はその後もスルーパスからあわやのシーンを作り出す。

 だが、日章学園は後藤翔(3年)と古賀照也(2年)の両CBが最後の局面でパワーのあるタックルを決めるなど得点を許さない。後半に入ると、日章学園が攻撃のテンポを上げてチャンスを作るが、宮崎日大もCB田崎常慈主将(3年)を中心としたDF陣が簡単には起点を作らせなかった。

 1点を追う宮崎日大は後半8分にもう一人のエース格であるFW櫻田優樹(2年)を投入。10分に右CKから川野が放った決定的なヘッドなどでゴールに迫る。だが、日章学園MF藤本優希(1年)にゴールライン上でクリアされたり、良い形で放ったシュートが枠を外れるなど、ゴール前の攻守でパワーのある相手を上回ることができない。

 日章学園も鈴木が立て続けに迎えた決定機を宮崎日大GK原蓮也(2年)に阻まれるなど、簡単には2点目を奪うことができなかった。それでも、この日は好パスを連発していたMF倉田晃士朗(2年)や左SB吉田剛之介(2年)、MF日吉悠真(2年)と交代出場組がそれぞれの特長を発揮。足を攣らせながらもハードワークを続けていた右SB濱松凜(3年)を含めて運動量もあった日章学園は、相手を繰り返し攻め続けてそのゴールをこじ開けた。

 後半33分、日章学園は倉田とのパス交換から鈴木が右中間を突破。DFを振り切り、右足シュートをゴールに流し込んだ。早稲田監督は「キャプテンがいなくなってグラつく場面はあったけれど先行できた。焦りもなかったし、そのうち2点目が獲れればというところで2点目を獲れたところで、僕は決まりだと思いました」と明かす。

 この後、ショートカウンターなどからシュートチャンスを作った宮崎日大だが、最後までその精度を欠いてしまう。逆に日章学園はアディショナルタイムにも倉田、鈴木と繋ぎ、最後は左中間を抜け出した日吉が右足でダメ押しゴールを決めた。

 日章学園の目標は過去最高成績の8強超え、そして全国制覇だ。早稲田監督は全国で勝ち抜くために必要なものとして「(攻撃の)多彩さと決定力ですね」と指摘する。初戦敗退したインターハイで露呈した課題。一方で、今大会で見せた追加点を奪う、失点しない、そして選手層の向上など結果に表れている部分や全国中学校大会優勝世代の台頭もあり、楽しみなチームになってきていることも確かだ。

 鈴木は「やっぱり早稲田先生をベスト4に自分たちの代で連れていくという話をしながら、明後日からの練習に取り組んでいきたいと思っています」と語り、阿部は「去年とか1回戦で負けてしまったので、全国へ向けても失うものはないので、チャレンジャー精神で臨んで行きたいと思っています」と力を込めた。歴史を変えるチームになるために、貪欲に進化して選手権を迎える。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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