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[MOM3030]海星MF假谷竜也(3年)_「彼が乗るとチームも乗ってくる」“攻撃の要”が1ゴール1アシスト

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見事なミドルシュートを叩き込んだMF假谷竜也(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.4 選手権予選準決勝 宇治山田商1-2海星 東員町]

 チームに勢いをもたらす先制点だけでなく、試合の流れをグッと引き寄せる2点目のアシストも記録。海星高の決勝進出の立役者であるMF假谷竜也(3年)は「自分で点を決めて、アシストもできた。今日の試合は自分でも良かったと思います。完璧です」と満面の笑みを浮かべた。

 宇治山田商高との準決勝でトップ下に入った假谷は序盤からサイドのスペースに流れて、攻撃に関与。ボールを持ったら、「追い風だったので、積極的にミドルシュートを打っていこうと考えていた」。最初の決定機が訪れたのは前半16分だった。左サイドでMF東川大将(3年)のパスを受けると、ドリブルでDFをかわし中央に侵入。「相手を上手く剥がせたので、思い切って足を振り切ってやろう」と振り返るミドルシュートを放つと、青柳隆監督が「打った瞬間に入ったと思った」と振り返るほど綺麗な軌道でゴール右上に突き刺さった。

 主将のDF岡本睦規(3年)が「彼が乗るとチームも乗ってくる」と評するようにチームのバロメーター的な存在でもある。先制点によって、勢いに乗った假谷は前半39分にも好機を演出。1点目と同じく東川のスルーパスから左サイドの高い位置を抜け出すと、「受けた瞬間に矢田(涼斗)が見えた」。素早くゴール前に入れたクロスを上げると、MF矢田涼斗(3年)のドンピシャヘッドによる2点目をお膳立て。「イメージ通りの2ゴール」によって、海星の勝利を呼び込んだ。

 選手権予選は夏の悔しさを晴らすための舞台だ。インターハイ予選でも主力として活躍が期待されながらも、準々決勝の鈴鹿高戦で右足を痛めたため、準決勝以降は試合に出られなかった。チームは決勝で四日市中央工高に敗れ、全国大会への出場を逃した「怪我で出られなかった悔しさはもちろんある。悔しすぎて泣こうにも泣けなかった」。

 1か月に及ぶ離脱期間を終えると、チームに迷惑をかけた気持ちと仲間に置いて行かれたくない気持ちを練習にぶつけ、シュート練習に励んだ。そうした成果もあり、今予選は初戦から全試合でゴールを記録。チームの勝ち上がりに貢献してきた。

 次に当たるのは新人戦、インターハイ予選ともに決勝で敗れた四日市中央工。「相手は攻撃が凄いけど、こっちも色んなプレーができるし、どんどんゴールを狙える。万全の状態であれば対等に戦えるし、個人としても技術面では負けていない。やってやるしかないと思っている」と意気込む。

 海星高への進学を決めたのは、中学時代の2年先輩であるFW三輪翔真(現・神奈川大)の活躍により、初の選手権出場を決めたから。「間近で見ていた先輩が活躍して凄いなと思った。自分もあんな風に活躍したいなって思った」。憧れの先輩と肩を並べるためにも、決勝で連続ゴールを挙げ、チームにもう一度歓喜を呼び込むつもりだ。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校選手権2019

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