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前半負傷交代の日章学園DF阿部主将は仲間に感謝。「代わりに出た選手が凄く良い仕事をしてくれた」

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優勝インタビューに応える日章学園高DF阿部稜汰主将

[11.4 選手権宮崎県予選決勝 日章学園高 3-0 宮崎日大高 宮崎県総合]
 
 九州屈指の注目SBが、前半30分に負傷交代。左SB阿部稜汰主将(3年)が接触プレーの際に痛めていた腰の痛みを再発させ、日章学園高ベンチは時間をかけることなくDF吉田剛之介(2年)とのスイッチを決断した。

 阿部は負傷が癒えて迎えた今大会、準決勝で初先発と慎重に起用されていたが、悔しい交代。勝負どころを前にしてピッチを後にすることになった主将は、不安な気持ちを抱いていたという。「不安だったんですけれども、1点リードしている状態だったので、周りには落ち着いてやれという声は掛けていました」。

 日章学園は1-0とリードしていたものの、阿部の交代後は宮崎日大高にボールを握られ、守備をする時間が増えてしまっていた。それでも、代わって入った吉田が攻撃面の良さを出して後半4分、17分と2度決定機を演出。吉田はボールロストするシーンこそあったものの3-0勝利に貢献し、またトップ下の位置で存在感を示したMF倉田晃士朗(2年)や3点目を決めたMF日吉悠真(2年)らを含めて交代出場選手の活躍も光る試合だった。

 阿部は「代わりに出た選手が凄く良い仕事をしてくれて守備もそうですし、攻撃でも良い形ができたので、良かったと思います」とホッとした表情を見せ、2得点のエースFW鈴木陽介(3年)も「キャプテンがいなくなった後とかも焦りがあったんですけれども、(交代出場組中心に)良いプレーが出ていたので良かったと思います」とチーム全員で勝ち取った白星を喜んでいた。

 阿部はまずコンディションの向上に集中。そして、全国大会ではこの日助けてもらった仲間たちに恩返しする意気込みだ。「守備だったら1対1の強さ、攻撃ではすぐ駆け上がってクロス上げるところ」といった強みとリーダーシップで日章学園を目標の全国4強以上、日本一へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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