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日章学園はCBコンビが決定機阻止。2年生DF古賀は旧友に「負けるのが嫌」の思いが力

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日章学園高の2年生CBCB古賀照也は完封勝利に大きく貢献した

[11.4 選手権宮崎県予選決勝 日章学園高 3-0 宮崎日大高 宮崎県総合]

 スコアこそ3-0だったものの、日章学園高にとっては苦しい戦いだった。宮崎日大高にボールを握られる時間も長く、背後を突かれるシーンが幾度もあった。だが、その攻撃をCB後藤翔(3年)とCB古賀照也(2年)の両DFが中心となって阻止。2人は抜け出しかけた相手アタッカーをパワーのあるスライディングタックルで止め、シュートをブロックするなど決定的な一撃をほとんど打たせなかった。

 意識していたのはシュートを打たせない守り。古賀は「その前の部分は別にやらせていいと思っていて、でもそこ(最後の局面)で大事なシュートブロックやカバーリングをやっていこうと話していて、(無失点で終わることができたので)良いゲームだったと思います」と説明する。

 今年、日章学園はプリンスリーグ九州で第11節(8月)の神村学園高戦から九州国際大付高戦、大分U-18戦、長崎U-18戦と4試合連続で無失点。シーズン序盤から守備の甘さや緩さを指摘されてきたチームは変化してきている。

 古賀は「改善しなければいけないということで、チームの練習から自分と(後藤)翔君で守備を引っ張って行く感じで『もっと守備粘り強く戦って行こう』と話していて、プリンスリーグでも無失点記録が続いたり、自信を持ってこの舞台で戦うことができました」と胸を張る。

 この日の前半に関しては、マークの受け渡しやシャドーの選手にボールが入った時の対応が上手く行っていなかったが、後半は修正して流れを引き寄せるきっかけに。ゴール前での粘り強い守備や声、先制点をアシストしたヘッドも含めて2年生CB古賀はチームを引っ張る存在になってきている印象だ。

 鳥栖U-15出身。対人守備やヘディングの強さを特長とするDFは、入学当初から先発起用されるなど期待の存在だ。「今年は自分がやっていこうという気持ちを持ってやることができている」。昨年度の選手権は自分がPKを与えて矢板中央高に1-2で惜敗。その悔しさも胸に、自覚を持ちながら成長してきている。

 鳥栖U-15時代の仲間たちに負けたくないという思いはエネルギーになっている。「置いていかれるのが嫌で、負けるのが嫌で、練習などで頑張って行くことを意識しています」。特に意識しているのは年代別日本代表にも選出されている鳥栖U-18CB末次晃也(2年)。その闘争心をリスペクトし、彼以上のCBになることを目指している。

 選手権は全国制覇という目標達成を目指すと同時に、自身にとってアピールの大会でもある。宮崎県将来のプロ入りを掲げる2年生DFは先輩DFたちとともにチームを勝たせるプレーをして、注目度を高める。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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