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“3年連続”の結果も…矢板中央追い詰めた直接CK弾、宇短附MF関本「今後につながる」:栃木

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先制ゴールを奪ったMF関本真尋(3年)

[11.4 高校選手権栃木県予選準決勝 矢板中央2-1宇都宮短大附 栃木グ]

 最も勝利に近づいた“3度目の挑戦”だった。宇都宮短大附高はMF関本真尋(3年)が矢板中央高から先制点を奪ったが、終盤の2失点で沈んだ。10番関本は「1点を守り抜こうという気持ちが強くなった。最後まで自分たちのつなぐサッカーを続けられたらよかった」と後半を振り返り、悔しさをにじませた。

 序盤は宇短附がセカンドボールを回収し、ボールをつないで攻撃のリズムをつくった。相手のロングボール攻勢に対して、関本は空いたスペースを突いて右サイドをドリブル突破し、チャンスを広げていく。迎えた前半33分、右足キックで殊勲の直接CK弾。左CKのチャンスにファーサイドへ蹴り上げると、ふわりとしたボールは相手GKを越えて流れ、ゴールラインを割った。

「合わせてくれればと思って蹴った」というキックが直接ゴールとなり、チームは歓喜爆発。「密集でコーナーを蹴るときは、自分が決めるくらいのボールを意識している」という姿勢が、大一番の劇弾に結び付いた。その後は連動した守備で矢板中央の猛攻に耐えたが、ラスト10分から2失点。最後に試合を覆され、大会から姿を消した。

 1年生から出番を得ていた関本は、3年連続で選手権予選のピッチに立った。FC今治への練習参加という経験も経て、成長を遂げて臨んだ今大会。しかし、3年連続で準々決勝敗退、いずれも矢板中央に屈する結果となった。「3年目もここで負けて…。3年間積み上げてきたものを最後に発揮できなかったのが悔しい」。

 それでも、最も勝利に近づいたのは最終学年のゲームだった。17年度は0-1、18年度も0-1で完封負けしたが、この試合は王者からゴールを奪い、一矢報いた。3年間の上積みが表現されたであろう一撃で、終盤まで矢板中央を追い詰めた。

「一点すら決めさせてくれなかった相手から一点を奪えたことは、大学に行っても、自分の今後のサッカー人生につながるかなと思います」と前を向いた関本。まだ続くサッカー人生。この悔しさを糧に、次の章へと進む。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2019

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