beacon

73分間で約11km「犬のように走れる」龍谷1年生FW又吉が決勝進出に貢献:佐賀

このエントリーをはてなブックマークに追加

龍谷高FW又吉耕太(1年)

[11.3 高校選手権佐賀県予選準決勝 佐賀東高0-1龍谷高 鹿島市陸]

 後半33分に足をつって交代したが、それまでの走行距離は約11km。沖縄からやってきた献身的アタッカーが龍谷高を決勝の舞台に導いた。そんなFW又吉耕太(1年)は強豪佐賀東高との準決勝を「決定力がないのは分かっている。守備で貢献して勝利できて良かった」と振り返った。

 沖縄県の強豪3種クラブ・Wウイング沖縄FC出身。同じくベンチ入りしている兄のGK又吉晴太(2年)を追って九州・佐賀にやってきた1年生は、高校生活最初の冬を4-4-1-1のトップ下のレギュラーという立場で過ごしている。

「試合に出るために頑張ってはきたけど、まさか本当に出られるとは思っていなかった。自分的にはうれしいけど……(笑)」。そうはにかむ又吉に対し、元Jリーガーの太田恵介監督は「アイツはとにかく走るしかない。犬のように走れる。ボールが飛べばそっちに追いかけていく」と走力面での信頼を語る。

 過去10回の全国大会出場を誇る佐賀東との一戦では、そうした長所がいかんなく発揮された。相手は高い位置を取るウイングやサイドバックに何度もパスを入れてきたが、又吉はそのたびにタッチライン際まで追いかけてアプローチし、自由なビルドアップをさせなかった。

「いままではあそこまで追いかけることはそんなになかったけど、行けると思ったので追いかけたら行けた」。もともと運動量には自信を持っており、武器は「前でハードワークすること」。決定機でのシュートは不発に終わったが、求められた役割は完遂した。

 試合中のチャンスの場面では「ここ取ろう!」「いい感じ」と積極的に声をかける姿も見られるなど、初めての選手権でも過度な緊張感は皆無。「声を出すのも得意なので、楽しくプレーできている」と自然体で大舞台に向き合っている。

「いままで通りハードワークはして、さらに高校生活で決定力を改善したい」と語る期待の1年生が目指すのは初年度での全国の舞台。11月16日に控える佐賀北高との決戦に向けて「全国を経験したくて来たし、目標は選手権に出ること。決勝でも勝って次に進みたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

TOP