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[MOM3056]近江DF末井友真(3年)_信頼受ける10番、攻守両面で自分の役割を全う

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近江高の10番、DF末井友真

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.9 選手権滋賀県予選準決勝 近江高 3-0 立命館守山高 皇子山陸上競技場]

 用意してきたセットプレーが、大事な先制点を呼び込んだ。前半15分に近江高が獲得した右からのCK。キッカーのMF森雄大(2年)はそれまでのハイボールではなく、低いボールを二アサイドへ送り込む。ややマイナス気味の軌道となったが、DF末井友真(3年)はステップを修正して右足でしっかりとボールを捕らえてシュートを放ち、これがニアサイドを破った。 試合後に末井が「練習どおりです」と明かしたように、槙島隆介コーチが担当しているデザインされたセットプレーだ。相手の意表をついた、試合を優位に進める上で重要なゴールとなった。

 ゴール以外でも、攻撃を組み立てる上で末井の役割は大切だ。「相手がどんなフォーメーションなのか、どこのスペースが空くのか。そうした変化を見ながらプレーしています」と話すように、最終ラインからピッチ上の状況を把握した上で長短のパスを配給し、時には自らドリブルで持ち上がるなど、攻撃の出発点となっている。今年からパスをつないでいく攻撃も取り入れているスタイルを実践する上で、最終ラインからのビルドアップは欠かせない要素だ。

 守備でも、この日は相手のシュートを3本に抑えた。攻撃にかける時間が多い中、時間帯によっては守勢に回る展開もあったが、耐えるところはしっかり耐えている。「隙を見せればやられることは学んできた。押し込まれた時間もあったけれど、そういう時こそ声を掛け合っていこうというのはピッチの中で話していました」とDFとしての本分も忘れない。

 この日は3バックの中央でプレーしたが、試合によっては4バックを採用することもある。そうした柔軟性は、関西の強豪チームがしのぎを削るプリンスリーグ関西で鍛えられた。上手くいった試合もあれば、やられてしまった試合もあるが、その繰り返しの中で着実に積み上げてきたものがある。

 DFながら背番号10を任されているのも、信頼の証だ。本人は「番号は関係ない」とそっけないが、前田高孝監督は「僕らの中で10番は特別な番号。3年生でチームを一番引っ張って中心でやっている選手に背負って欲しかった」という思いを持っている。副キャプテンとして、チームに与える影響力という意味でも欠かせない存在だ。

 出身は兵庫県。そんな末井が県を跨いで滋賀県、それも東部地域にある近江を進学先に選んだのには理由がある。「僕は強くないチームが強豪を倒すジャイアントキリングが好きで、中学校もそういうチームで関西大会へ勝ち進みました。高校でも自分がチームを全国へ連れて行く、それくらいの気持ちでやりたいと思って近江でやりたいと思いました」。

 近江は強化に力を入れ始めてから今年で4年目の新鋭校で、彼の野心と合致する部分があったのだろう。最終学年となった今季はプリンスリーグ関西へ滋賀県勢としては唯一参戦しており、高校総体でも滋賀県代表の座を射止めている。そして、最後の高校選手権。「決勝戦は相手どうこうよりも、自分たちが近江の色をしっかりと打ち出すことしか考えていない」。高校生活最後の大舞台である選手権。全国まで、あと一つだ。

(取材・文 雨堤俊祐)
●【特設】高校選手権2019

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