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[デフフットサルW杯]準々決勝に進んだ女子代表は前回準優勝のブラジルに1点差で涙。5-8位決定戦へ

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2点目のゴールを阻まれた鳥海玲奈(提供:日本ろう者サッカー協会)

【デフフットサルワールドカップ2019】(スイス・ヴィンタートゥール)
デフフットサル女子日本代表1-2(前半0-0)ブラジル代表

 デフフットサル女子日本代表が現地時間13日、準々決勝で前回W杯準優勝のブラジル代表と戦い、1-2で敗れた。

 ブラジル代表は予選3試合で35得点をあげた攻撃力が脅威だったが、日本代表は抜かれてもカバリングが早く、前半を0-0で折り返した。残り11分まで0-0だったが、相手GKからのロングスローに前線で待っていた選手が鋭く反応。わずかに変えられた角度にGK芹沢育代が一瞬だけ対応が遅れて先制ゴールを許した。さらにそのわずか3分後、日本がボールを奪われてから一気に逆襲にあい、2点目を決められた。日本の選手は挽回を期して円陣を組んでいるそばで、ブラジルの選手は足がつってしばらく立てなかった。

 日本はそのひたむきさを形にしたのは残り3分を切った時間帯。相手GKがドリブルで中盤付近までボールを運んできたところを、主将の岩渕亜依が奪い、一気に前進。右足を振りぬき、1点差に詰め寄った。さらにその約1分後、相手のミスによるこぼれ球が鳥海玲奈の足元に。左足を振りぬいたが、相手GKの好セーブに阻まれ、同点ゴールは奪えなかった。残り1分を切ってからGK芹沢もゴールマウスを離れて総攻撃を仕掛けたが、その執念は実らなかった。

 女子日本代表の山本典城監督はこう振り返った。

「選手たちは最後まで諦めず戦ってくれました。予選リーグで戦ったヨーロッパの相手とは違い、女子デフフットサルの世界の中ではまだ少ないと言えるフットサルの戦術的な部分のトレーニングを行ってきているブラジルとは終始、均衡した戦いでした。その中でこういった結果になってしまったことには様々な要因があったと思います。W杯準々決勝という緊張感含めたメンタル的な部分、戦術的な部分、個人技術、フィジカル……。ただその中で大きな差があったことといえば、このような試合で自分たちでやってはいけないミスをしてしまったこと、そして自分たちが作ったチャンスを決めることができなかったこと、その差が結果に繋がってしまいました」

 1点差に迫るゴールを決めた主将の岩渕亜依は必死に前を向いた。

「ベスト4進出というチャンスをモノにできませんでした。いい報告ができず申し訳ございません。内容は五分五分だったと思います。けれども結果は結果。この負けをしっかり受け止めなければなりませんし、また明日からの5-8位決定戦に向けて準備していかなければなりません」

 5-8位決定戦に回った女子代表は本日14日、今大会初戦で戦い、3-3と引き分けたスウェーデン代表戦に挑む。前回大会で6位だった女子代表は、その成績を超える5位になるための戦いがまだ残されている。

得点者
[日本代表]
(後半)
岩渕亜依

先発メンバー
[日本代表]
GK1芹澤育代
FP11酒井藍莉
FP10岩渕亜依
FP6阿部菜摘
FP13鳥海玲奈
監督山本典城

【女子日本代表スケジュール】
≪予選≫
11月09日(土)△3-3スウェーデン
11月10日(日)〇6-0フィンランド
11月11日(月)●4-6ポーランド
≪決勝ラウンド≫
11月13日 ●1-2ブラジル
11月14日 スウェーデン代表戦
11月15日 順位決定戦(5位~12位)
11月16日 決勝、3位決定戦
※時間は日本時間、( )は現地時間。スケジュールは変更される場合あり

大会の公式HPはこちら

【女子日本代表選手】
GK1芹澤育代(FOREST ANNEX)
GK12佐藤優(SDFCアレグリーナ)
FP2原田明奈(アスレジーナ)
FP3宮城実来(SDFCアレグリーナ)
FP4田村友恵(LasMaleza)
FP6阿部菜摘(日体大学友会女子サッカー部、日体大FIELDS横浜サテライトB)
FP7川畑菜奈(SDFCアレグリーナ)
FP8宮田夏実(関西学院大学体育会サッカー部女子チーム)
FP9中島梨栄(中野FCアサレア)
FP10岩渕亜依(early.f.t)
FP11酒井藍莉(SAICOLO)
FP13鳥海玲奈(FOREST ANNEX)
FP14中井香那(sonrisa)
FP15一色麻衣(FUSION)

【スタッフ】
監督:山本典城
コーチ:本多さかえ
トレーナー:田場吏
トレーナー:宮澤楓
メンタルトレーナー兼通訳:高橋基成
スタッフ:朝倉ゆり奈

最終メンバーの詳細はこちら

(取材・文 林健太郎)

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