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「できることは見せられた」と“違い”生むも… U-22代表MF久保建英、“結果”残せず「良くない」

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U-22日本代表MF久保建英(マジョルカ)

[11.14 練習試合 U-22日本代表0-1広島]

 与えられた時間は16分。2日前の12日にチームに合流し、練習に参加したのは前日の13日のみ。スペインからの移動もあった。しかし、限られた時間の中で、U-22日本代表MF久保建英(マジョルカ)は“違い”を生み出した。

 0-1とリードを許して迎えた後半19分にピッチへと投入される。相手の“間”に入って後方からの縦パスを呼び込み、鋭いターンで前を向いて的確に散らして攻撃にリズムをもたらす。「相手もちょっと間延びしてきている中で、最初の1本目から間で受けてくれという要求もあった。“そこ”にという意識が出し手にも受け手にもあったと思う」。自身の特長を周囲が理解しているからこそのプレー。久保が動いたポジションにボールが吸い込まれ、パスを受けたら周囲が動き出す。

 そして、仲間からの信頼に久保も応えた。後半28分にはMF田中駿汰(大阪体育大)の縦パスを受けて前を向くと、FW上田綺世(鹿島)へ絶好のスルーパスを供給。さらに同33分にはPA内のFW前田大然(マリティモ)へのパスでシュートチャンスを創出した。ともにシュートが枠を捉え切れずに得点には結び付かなかったが、久保を経由した滑らかな攻撃となった。

 パスだけでなく、後半27分には自らドリブルで運ぶなど、何とかゴールを生み出そうと奮闘するも、同点にすることはできず。「できることは見せられたと思うけど、どうしても試合を振り出しに戻す、勝つという結果の方が大事になってくる。短い時間で0-1で負けていたので、取り返せなかったのは良くない」と悔しさを滲ませた。

「前の選手はゴールを奪う、後ろの選手はゴールを守る。役割分担ではないけど、最終的な仕事はそうだと思う」

 17日にはキリンチャレンジカップ・U-22コロンビア代表戦が控えている。出場時間はおそらく増えるだろう。「アピールしないといけない」と自身の立場を理解している男は、自らのプレーでゴールを生み出してチームに勝利をもたらすため、コンディションを上げていく。

(取材・文 折戸岳彦)
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