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京都U-15時代の仲間たちの活躍も刺激に。近江の2年生MF山中が連発と優勝誓う

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近江高MF山中亮弥は1ゴールを記録した

[11.9 選手権滋賀県予選準決勝 近江高 3-0 立命館守山高 皇子山陸上競技場]

 この日は2年生だけで中盤が構成された近江高。その一角を担ったのがMF山中亮弥(2年)だ。後半途中からチームにリズムが生まれ始めると、山中も持ち味を発揮しはじめる。中盤でパスを受けて、前線やサイドで受け手となる選手の状況を見ながら、どこのにボールを送り込むかを選択して攻撃に関与した。「前半は密集を作ったところで崩そうとしていましたが、相手の守備に引っかかってしまうことが多かった。後半は、そこからの展開を意識しながら戦いました」と振り返る。後半14分にはスローインを起点に、FW中村匡汰(2年)からのパスを受けると、エリア内で左足を一閃。利き足ではない足のキックだったが、GKの手をかすめながらゴールに吸い込まれていった。

 昨年は1年生ながらAチームで出場機会を得ており、2年生となった今季も期待される存在だ。「このチームはがんばれる選手が揃っている。今年の最初と比べてみんな成長しているし、組織的なところも作れてきた」と手応えを感じている様子だ。攻撃面の変化についても「去年はまず前線の選手にボールを出して、そこから前向きの状況を作ることが多かった。今年は中盤に人数をかけて、そこでパスをつないだり、ドリブルをしかけたりして崩していく形が増えています」と説明する。

 そうした取り組みの成果もあって、夏の高校総体は滋賀県代表として全国の舞台に立った。ただ、初戦敗退という結果に終わり、山中自身は実力を出し切れなかったという。「悔しかった。自分たちの持ち味をもっとこだわってやっていこう、と夏以降は取り組んできました」と今まで以上に高い意識で練習や試合に取り組んできた。前田高孝監督も「ボールを止める技術やキックの質は高い。去年は1年生なのでチームに付いていくという感じだったが、今年は自分からリーダーシップをとろうとしている。そこはいい変化ですね」と評価している。

 中学時代は京都サンガF.C.U-15でプレー。クラブユースから、高校の部活に環境が変わった。「サンガのときは(チーム全体の)サッカーの意識が高かった。近江高校に来たばかりの頃は違いに戸惑うこともあったけれど、3年生が引退して新チームになってからは全員がまとまらないといけない、という意識が芽生え始めて、今はいい状態だと思います」と話している。また、サンガで同期だった中野桂太がU-17日本代表として世界大会へ挑むなど、かつてのチームメイトの活躍にも刺激を受けている。「サンガに残った選手たちにも負けてられない。自分もここで活躍したいし、決勝戦では自分がゴールを決めてチームを優勝させたい」と意欲を燃やしている。

(取材・文 雨堤俊祐)
●【特設】高校選手権2019

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