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[MOM3060]興國MF樺山諒乃介(2年)_注目10番が初優勝導く1G1A。全国舞台で「あいつバケモノと言われたい」

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興國MF樺山諒乃介(2年)が1ゴール1アシストの活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.16 選手権予選決勝 阪南大高0-2興國 ヤンマー]

 選手権出場がかかった大一番とあり、両校ともに全校応援を実施。9000人もの大歓声が注がれる中での一戦で1ゴール1アシストを記録したのが、興國高のMF樺山諒乃介(2年)だ。チームの新たな歴史を切り拓くヒーローとなった樺山は、試合後「初めて全国大会に出場した代の10番として、名前を残せたかなと思う」と喜びを口にした。

 結果的には全得点に絡む活躍となったが、「1試合を通してメンタル的にも、プレー的にも自分のベストではなかった」。序盤はDFラインからのロングボールを多用したしため、樺山の足元にボールが入る場面はごくわずか。内野智章監督も「前半は樺山自身も堅かった。ドリブルとパスを引っかけていた。ボールを触ってリズムが出てくる選手なので、樺山にとってもチームにとっても前半は我慢の時間だった」と振り返る。

 チーム全体で攻勢を仕掛けた後半は、相手エリアで良い形でボールを受ける回数が増加。持ち味であるドリブルによって、阪南大高の守備陣に圧力をかけたが、フィニッシュまで持ち込めない。我慢の時間帯が続いた樺山に最初の見せ場が訪れたのは、後半30分だ。

 相手エリアでパスを受けると、「選手権予選は初戦から、自分がファーストシュートを打って流れを作っていたけど、今日はシュートを打てていなかった。何とかシュートを打とうと思った」とドリブルで中央を突破。シュートを打つつもりでいたが、阪南大高のDF陣が慌ててボールを奪いに来たのが見えたため、冷静に判断を変えてゴール前にループパスを送ると、最後はFW杉浦力斗(2年)が冷静に決めて均衡を崩した。

 後半38分には、「リッキー(杉浦)が決めて嬉しかったけど、俺も決めたいという気持ちが芽生えた」という樺山にも得点のチャンスが訪れる。左CKがゴール前に低く入ると、ニアで合わせて2点目をマーク。選手権行きを決定づけた2点目について、樺山は「初戦の東住吉高戦でもニアに入って、ヘディングで決めていたので練習でも意識していた。狙いと違った所にボールが来たけど、行くしかなかったので魂で飛び込んだ」と振り返った。

「緊張というよりワクワクが強すぎて空回りしていた」と振り返る通り、決して自らの力を100%出し切れた試合ではない。だが、内野監督から言われてきた「笑わないと、良いことは訪れない」という言葉を思い出し、試合前のロッカールームから笑顔を意識した。前半途中は相手のマークにイライラし、笑顔が消える時間帯もあったが、ベンチから内野監督が笑顔で飛ばす「お前と杉浦が決めろ」という指示を受けて、笑顔を思い出し、後半の2ゴールに繋げた。

 今年は高校2年生ながらもJクラブの練習参加を経験する一方で、U-17ワールドカップのメンバーから外れた。悔しさを晴らし、多くの人に認めてもらうには選手権は格好の舞台。樺山は「代表にまた呼ばれるためには、選手権で活躍するのが一番。自分の良さであるドリブルなど攻撃面で全国でも観客を沸かせつつ、結果も残したい。魅せる&結果で、『あいつバケモンやな』と言われたい」と意気込みを口にした。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校選手権2019

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