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[MOM3062]五條MF池田達哉(3年)_チームを引っ張る“何でも屋”。初優勝に導く2ゴールで大会MVP

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大会MVPに輝いた五條MF池田達哉

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.16 選手権予選決勝 五條3-2(延長)一条 奈良橿原]

 五條高の吉岡一也監督が「守備、攻撃、チームの統率、すべてにおいて欠くことができない要の存在」だと評するMF池田達哉(3年)。第98回全国高校サッカー選手権奈良県大会では、最優秀選手賞を授与された。

 中盤の底で高いボールを弾き返し、身体を張って相手からボールを奪う。ボールを回収すれば、前へボールを運んでいって前線の選手に繋ぎ、攻撃の起点にもなれる。タッチラインを割れば、長いスローインも投げられる。苦しい時間帯には大きな声でチームをポジティブな言葉で鼓舞し、率先して前を向いて戦う姿勢を示す――。とにかく、チームが勝つためならば労を惜しまず何でもやれるのが池田だ。

 それでも一条高に1-2と逆転を許した際には、「正直言うと、やっぱり精神的にキツいと思ったし、うつむいてしまいそうにもなった」と、試合後に少し苦笑いを浮かべながら打ち明けた。「でも、ここで自分が下を向いてしまったら、チームのみんなも下を向いてしまうと思ったので、とにかく声を出して、絶対に勝ちたいという気持ちをもう一度強く持ち直した」。チームを引っ張りたいという思いをしっかりと体現し、先制点に続いて決勝点も決めてみせ、名実ともに“チームを引っ張るキャプテン”であることを証明した。

「自分がキャプテンを務めさせてもらい、チームのみんなもそれについてきてくれた」と話した池田。「決勝では応援してくれる声もいつもよりさらに大きくて、奈良県の高校の中で一番の声援だったと感じた。チームメイトと応援してくれる人たち、多くの人に支えてもらったおかげで初優勝のトロフィーを掲げることができた」と感謝の意を表した。

 奈良県大会では夏冬連覇となった五條だが、選手権での全国大会は初めてとなる。「できれば五條高校らしいドリブルで、1つでも多く勝利したい。でも、僕たちは初出場のチャレンジャー。どこの高校と戦うことになっても、対戦相手の胸を借りるつもりで挑んでいきたい」と語った。

(取材・文 前田カオリ)
●【特設】高校選手権2019

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